魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:31:05.01 ID:jtQcW+hGO
「……そんなことは、今はどうでもいい」
「つまり、後先は考えていないと?」
「ボクはただ! この世界を壊したいだけだ!」
「はあ……付き合ってられませんねぇ」

頑なに先のことを考えようとしない魔物使いに対して、生贄娘はそれっきり興味を失ったらしく、つかつかと蹲る竜の妹の元へ歩み寄った。

「もう大丈夫ですよ」
「触ら、ないで……!」
「ベルトをひとつ、緩めるだけです」

そう言ってまるで拘束具のように腹部に巻かれたベルトを、生贄娘は緩めてあげた。すると。

「っ……!」

ぎゅるるるるるるるるるるるるるるるぅ〜っ!

腹の音が鳴り響き生贄娘はやはりと確信する。

「この子の排泄を管理していたのですね?」
「ああ、そうだ。そんなの当たり前だろう?」
「何が、当たり前なのですか?」
「ただでさえ汚く穢らわしい混ざり物が、汚い糞をそこらでしないように躾けるのは当然だ」
「……クソが」

生贄娘が怒っている。激怒している。
未だ嘗て、竜の子が見たことのない程に。
激しい怒りによって、亜麻色の髪が逆立った。

「世間知らずのガキを折檻してあげましょう」
「がっ!?」

言うが早いか、一瞬で肉迫した生贄娘の正拳突きが、魔物使いの腹部に、深々とめり込んだ。

その動きは高位の冒険者にも引けを取らない。
竜王に生贄として捧げられて以来、自給自足の生活をして魔物を狩り、生きてきた証だった。
経験値目的ではなく生きる為に魔物を食べた。

そうして生贄娘は強く美しい武闘家となった。


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