魔物使い「汚らしい! ボクに触れるなっ!」竜の子「汚らしいのは、お前だっ!!」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/27(土) 22:14:03.35 ID:jtQcW+hGO
「……ごめん。ごめんね……若」
「僕の方こそ、嘘に気づけなくて……ごめん」
「……違う。若は、優しい……私が、悪い」
「魔女さん……」

魔女はこれまで、ずっと、独りぽっちだった。
何をするにも、なんでも、自分で決めていた。
だから船で竜の子と出会う前、世界に居場所がないと思っていた時に、お姫様の遣いから今回の仕事を依頼された際も、独りで決断をした。

独りで世界を救おうと。

そうすれば、英雄になれると思った。
そうすれば、居場所が出来ると信じた。
そうすれば、独りじゃなくなると考えた。
そんな自分勝手な思いから独断で引き受けた。

にもかかわらず、結局その使命を身勝手な私情により遂行出来ない自分が、心底嫌になった。

「……私は、自分が嫌いで、たまらない……!」

自分の醜さや浅ましさが、嫌で嫌で堪らない。

「……僕も、魔女さんと同じだよ」

同じく、竜の子も、自分の弱さが嫌いだった。

「……若?」
「だから僕たちは良いお友達になれると思う」
「……ほんと? 私なんかで、いいの……?」
「うん! もちろん!」

そう言って子供らしい笑みを浮かべる竜の子につられて、泣き止んだ魔女も優しく微笑んだ。

「……ありがとう、若」
「どういたしまして!」

互いの嫌な部分を貶し合うのではなく、補って支え合うのが、真のお友達なのだと理解した。
ようやく、本当のお友達になることが出来た。


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