14: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:51:37.61 ID:v/g2u2sn0
「よう坊主、初めてか?」
隣の席から声をかけられた。つるっぱげの人の好さそうなおじさんだった。
15: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:52:05.52 ID:v/g2u2sn0
「それはそうと早く注文選びな。食べに来たんだろ?」
八百屋のオヤジはニヤニヤした顔のまま僕にそう促す。
おっと、そうだった。どれにしようかな。とりあえずチャーハンにするか。
16: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:52:44.77 ID:v/g2u2sn0
「それは来てからのお楽しみだ。ま、坊主くらい若けりゃ楽勝か」
そいういっておじさんはカッカッカっと笑い飛ばした。なにか嫌な予感がする。
そういえば、僕以外の佐竹さんのファンも当然ここのことは知っているはずだ。おじさんも言っていたけど僕と同じ考えをもってここに来るやつは他にもいるだろう。
17: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:53:13.38 ID:v/g2u2sn0
☆★☆★☆★☆★
18: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:53:39.37 ID:v/g2u2sn0
「味は信用していいぜ。俺が直々に野菜卸してる店だからよ。いい野菜はいい店にしか卸さねえ。俺のポリシーだ。初めてここの店主がが俺の店に来たときは……ってそれは関係なかったな。それはそうと、坊主。学校では佐竹ちゃんとはどうなんだ?」
「え、えーっと佐竹さんとは隣の席同士で……まだ全然話せてないですけど……」
19: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:54:10.01 ID:v/g2u2sn0
「あの笑顔が見れるだけでここに来る価値があるってもんだ」
そう言って佐竹さんを見る八百屋のおじさんの目は優しい目立った。
20: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:54:36.11 ID:v/g2u2sn0
「じゃあまた来るぜ、佐竹ちゃん」
「はーい!いつでも来てくださいね♪」
21: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:55:32.12 ID:v/g2u2sn0
☆★☆★☆★☆★
22: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:55:58.19 ID:v/g2u2sn0
「じゃあチャーハンお願い」
「はーい!」
23: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:56:25.55 ID:v/g2u2sn0
実は僕はこのだまってチャーハンを食べている時間が一番好きだ。何故なら―。
「〜〜〜♪」
24: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:56:51.48 ID:v/g2u2sn0
「料理は愛情だってお父さんがよく言うんだけどね。私の料理で誰かが喜んでくれたら、私の愛情が伝わってくれたのかなって。そう思うとすごく嬉しくって」
心の底から幸せそうに言う佐竹さん、きっと本心なのだろう。だから誰に対しても分け隔てなく接するし、無償の愛を届けることができる。そこが佐竹さんの魅力なんだ。
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