23: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:56:25.55 ID:v/g2u2sn0
実は僕はこのだまってチャーハンを食べている時間が一番好きだ。何故なら―。
「〜〜〜♪」
カウンターから僕が食べる姿をニコニコと眺める佐竹さんを見ることができるからだ。
初めて佐竹飯店に来たあの日、帰り際におじさんに言われたのが「放課後にでもに来てみるといい」ということだった。
言われたとおりに月曜日の放課後、その足で再び佐竹飯店に足を運んだのだが、おじさんが言っていた意味が分かった。
放課後なら、お昼のピークもすぎて、誰もいないのだ。おかげで、佐竹さんと話すことができたり、こうやって佐竹さんの笑顔を独り占めすることができる。
本人はきづいているのだろうか。佐竹さんは何もない時は厨房から僕たち、客が食べている姿を幸せそうに眺めている。
今日みたいな誰もいないような日は、僕がその視線を一手に引き受けるので、僕もずっとこちらを見てニコニコとしている佐竹さんを眺めることができる。
「佐竹さん、いつもニコニコしながら食べてるのを見てるよね」
「えっ?もしかして顔に出てる?」
「うん」
「あうう、ちょっと恥ずかしいなあ。でもそうだね、食べている人を見るのは好きかな」
「どうして?」
「美味しそうに食べてる姿をみるとこっちも幸せな気持ちになっちゃうから」
佐竹さんは満面の笑みを浮かべてそう言った。
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