24: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:56:51.48 ID:v/g2u2sn0
「料理は愛情だってお父さんがよく言うんだけどね。私の料理で誰かが喜んでくれたら、私の愛情が伝わってくれたのかなって。そう思うとすごく嬉しくって」
心の底から幸せそうに言う佐竹さん、きっと本心なのだろう。だから誰に対しても分け隔てなく接するし、無償の愛を届けることができる。そこが佐竹さんの魅力なんだ。
25: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:57:20.12 ID:v/g2u2sn0
☆★☆★☆★☆★
26: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:57:53.35 ID:v/g2u2sn0
「佐竹さんとだよ」
「え?まあ、佐竹飯店には通ってるけど」
27: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:58:22.35 ID:v/g2u2sn0
「はあ……いいか?佐竹さんのファンはお前以外にもたくさんいるんだぞ?ぼやっとしてたら取られるぞ?」
「とは言ってもさ……」
28: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:58:58.84 ID:v/g2u2sn0
☆★☆★☆★☆★
29: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:00:00.19 ID:v/g2u2sn0
それは週末の放課後、月曜日までの課題を教室に置いてきてしまったことに気づき、一人教室に戻っていたときのことだった。
教室の前まで着くと、まだ教室に誰かが残っていることに気がづいた。
陽もだいぶ落ちて、明かりのついていない教室は影に覆われていたが、窓側の席は夕日に照らされてそこに人がいることを示していた。
30: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:00:32.33 ID:v/g2u2sn0
しばらくすると佐竹さんも立ち上がった。何かを話しているようだったけど、ドア越しにはその内容はわからなかった。
そして見てしまった。涙を、佐竹さんが肩をふるわせて涙を流す姿を。
どうやらほかの二人も泣いているようで、三人は肩を抱き合って涙を流していた。
31: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:00:59.10 ID:v/g2u2sn0
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32: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:01:42.08 ID:v/g2u2sn0
「美奈子ちゃんおめでとう!」
「みなちゃん、応援するよ!」
33: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:03:10.31 ID:v/g2u2sn0
なんだ、結局僕は何もわかってなかったんじゃないか。馬鹿だ、とんだ大馬鹿者だ。
なにが佐竹さんと親しくなれているだ。
僕たちはあくまでも同級生で、佐竹飯店に通う常連客と看板娘で、それ以上でもそれ以下でもないじゃないか。
34: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 04:03:36.32 ID:v/g2u2sn0
「おめでとう!」
でも、だから僕は祝う。佐竹さんの夢がかなったことを。
同級生として、佐竹飯店の常連客として、佐竹飯店のアイドルのファンだった一人として。
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