14: ◆OtiAGlay2E[sage]
2019/06/24(月) 03:51:37.61 ID:v/g2u2sn0
「よう坊主、初めてか?」
隣の席から声をかけられた。つるっぱげの人の好さそうなおじさんだった。
「え、ええ」
「そうかそうか。じゃあしっかり食べてきな。……っとああ、すまねえな。俺は近くの八百屋で店主やってんだ」
話を聞くとどうやら隣の席のおじさんは近所で八百屋をやっていて、この店にも野菜を卸しているらしい。
「ここの店主が若いころからの付き合いでよお、よく世話になってんだよ」
豪快に笑いながらおじさんは僕に語り掛ける。
「ところでよお。どうせ目当ては佐竹ちゃんだろ?」
「え、ええ!……えーっと…?」
次は一転、ひそひそと、僕だけに聞こえるように聞いてきた。だけど顏は完全にニヤニヤしていた。
「いやいや、気にすんな。ここに来る若い連中の大体は佐竹ちゃん目当てだからよ。全員考えることは同じってこった。まあ、気持ちはわかるけどな。なんたって可愛いからな!」
どうしてあなたが得意げなんですか。とは僕には言えなかった。
ここの店主、つまり佐竹さんのお父さんと若いころからの付き合いだ、ということは佐竹さんのことも佐竹さんが小さかったころから知っているのだろう。
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