エミリーが忘れた日
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32: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:05:59.37 ID:9pdDfgPfo
 
「どうかしたのか?」
「……何でもない」
「ならいいけど。 それにしてもエミリー、なんだか嬉しそうだな」
「?」
以下略 AAS



33: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:08:52.21 ID:9pdDfgPfo
 
そして本の詰まった箱はそれ以外にもうひとつ──こちらはエミリーの父親から直接預かったものだ。

「エミリー、こっちのダンボールの中身見てもいいか?」
「……あんまりジロジロ見るものでもないんじゃない? プライベートなアイテムでしょ」
以下略 AAS



34: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:10:17.75 ID:9pdDfgPfo
 
「この絵……」

クレヨンか何かで描かれたその絵の中で、二人の女の子が仲良く手を繋いで笑っていた。
一人は今と変わらないブロンドのツインテール。誰かはすぐに分かる。
以下略 AAS



35: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:10:55.27 ID:9pdDfgPfo
 
「それこそ勝手に見ていいの?」

伊織がこちらも見ず突き返すように言った。大きく画用紙を広げて見ていた俺に、エミリーも気がついたようだ。

以下略 AAS



36: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:12:36.05 ID:9pdDfgPfo
 


窓の外が暗くなったころ、父親と一緒に帰宅するエミリーを見送った後の事務所には俺と伊織だけが残った。
もうしばらくが経過して、今度は伊織も自分の用事を終わらせ、電話で迎えの連絡を入れているようだ。
以下略 AAS



37: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:13:45.18 ID:9pdDfgPfo
 
「こう言っちゃなんだけど……私、あの子はもっとショックを受けると思ってた」
「ショックって……日本語を忘れちゃったことに対してか? もちろん悲しそうにしてたぞ」
「それはそうなんだけど……いえ、決していつまでも落ち込んでいてほしいわけじゃないのよ。 ただ……妙に立ち直りというか、割り切りが早いというか」

以下略 AAS



38: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:19:23.99 ID:9pdDfgPfo
 


別の日、エミリーを最初に診てもらった病院で改めて脳の検査をしてもらったが、やはり目立った異常はないらしい。
現状報告もかねて挨拶へ向かうと、先生は「いい傾向のようですね」と安心した様子だった。
以下略 AAS



39: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:20:45.36 ID:9pdDfgPfo
 
「プロデューサー、久しぶり!」
「だな。 今日はよろしく」
「《エミリーも、よく来てくれたな》」
「《お久しぶりです》」
以下略 AAS



40: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:21:55.96 ID:9pdDfgPfo
 
咄嗟にたじろいだもののだんだんと理解の追いついてきたエミリーは、振り返って歩を見た。

「──ま、ズバリ“765プロ英会話教室”ってとこかな」
「なるほど。 そんなことをやってたのか」
以下略 AAS



41: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:23:46.66 ID:9pdDfgPfo
 
「たまきわかった! 今、『元気です』って言ったぞ! あと、『ありがと』って!」
「おぉ〜……歩さん、エミリーちゃんと、言葉通じたよぉ。 こりゃうれしいねぇ」
「いいぞーひなた、頑張って練習したかいがあったな」

以下略 AAS



42: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:24:18.81 ID:9pdDfgPfo
 
「じゃあ、これからもエミリーとおしゃべりするために、英語の勉強がんばるぞ〜! エイエイオー!」
「エイエイオー!」
「エイ、エイ、オー!」

以下略 AAS



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