エミリーが忘れた日
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41: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 22:23:46.66 ID:9pdDfgPfo
 
「たまきわかった! 今、『元気です』って言ったぞ! あと、『ありがと』って!」
「おぉ〜……歩さん、エミリーちゃんと、言葉通じたよぉ。 こりゃうれしいねぇ」
「いいぞーひなた、頑張って練習したかいがあったな」

林檎みたく真っ赤に頬を染めるひなたの頭を歩が撫でる。
他の二人も「《私たちにできることがあったら何でも言ってね》」だとか、「《また一緒にステージに立ちたいぞ!》」だとか、
そんな励ましの言葉をエミリーにかけていった。

「実はエミリーもな、頑張って日本語の勉強してるんだ。 《何か言ってやってくれないか》」

背中をポンと押してやると、大勢に見られて少し恥ずかしさも混じらせつつ、エミリーはたどたどしく言葉を繋いでいく。

「アリガトウ、わたし、ガンバッテ、またにほんごオボエマス」

拍手が沸き起こった。

「ただ、みんなが英会話を覚えてエミリーと話してくれるのはとってもいいことだから、これからも続けていってくれ」

本当ならばエミリーが日本語に触れる機会を増やそうと連れてきたつもりだったが、少なくとも年少組はこれでいいのかもしれない。
前向きにエミリーと接してくれている温かさを素直に受け止めて、一つの支えにしてくれればいいが。


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