35: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/06/10(月) 21:10:55.27 ID:9pdDfgPfo
「それこそ勝手に見ていいの?」
伊織がこちらも見ず突き返すように言った。大きく画用紙を広げて見ていた俺に、エミリーも気がついたようだ。
「あぁ、ごめんエミリー。 つい……」
「……?」
「これ、エミリーが描いた絵だろ? いつ頃のなんだ?」
エミリーはその絵に視線を飛ばしながらしばらく考えていたが、最後には首を傾げた。
「Hmm... I can't remember.」
「覚えてない?」
「本人も忘れたほど昔の話ってことよ。 ほら、勉強と関係ないものはしまう!」
「そっか。 それにしてもよく描けてるな……昔の友達だったのかな」
「知らない」
渋々その絵を筒へ戻した。
エミリーは何でもなかったようにそのまま勉強を続け、伊織もまた隣に座って彼女を見守っている。
それ以上気にしても仕方なかったので、俺は今度こそ自分の仕事へ戻った。
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