一ノ瀬志希「ほころび」
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25:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:32:36.27 ID:D/gZfYJM0
 ――――


 ――オーウまいがっ。
 これは想定外のカロリー量だねー、キミ写真と違くない? なーんて。
以下略 AAS



26:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:34:26.35 ID:D/gZfYJM0
 それでも夕美ちゃんは、その日のうちに容易くあたしを探し出してしまう。
 今日みたいに、午前のレッスンを抜け出して、昼過ぎに見つかることなんてザラだ。


 ムキになるなんて、ガラじゃないんだけど――。
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:39:46.33 ID:D/gZfYJM0
 たどり着いた先は、無人駅だった。

 設置されたばかりであろう、不釣り合いなほどピカピカの改札にICカードをかざす。
 出てから気づいたけど、乗り越し精算機とかいうヤツが見当たらない。
 もしカードにチャージした残金が足りなかったら、どうすればいいんだろう?
以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:43:16.63 ID:D/gZfYJM0
 木々に囲まれた遊歩道を5分ほど歩くと、視界が開けた。
 辺り一面に芝生が広がり、右手にはそこそこ大きな木が一本植わった小高い丘が見える。

 ロクに管理もされてなさそうなのに、綺麗な芝だな。
 そう思いながら、あたしは丘の上を目指した。
以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:44:37.88 ID:D/gZfYJM0
 ――――。


 風が吹いた。
 甘い香りが鼻腔を刺激して、目を覚ます。
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:50:08.59 ID:D/gZfYJM0
 寝転んだ視界の中に、水玉模様のスカートが揺れる。
 季節はもう秋に差し掛かっていたけれど、青空の下に咲く夕美ちゃんの爽やかな笑顔は、春か夏のそれだった。


「……夕美ちゃん、もう少しめくって」
以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:54:30.56 ID:D/gZfYJM0
 ――ま、いいや。

 知識として蓄えがないものは、予測するしかない。

 キンモクセイの特徴といえば、その甘い匂い。
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:57:10.15 ID:D/gZfYJM0
「えっ?」
 夕美ちゃんは驚いてあたしに向き直る。

「まるきりの新種は難しいにしても、例えば、このキンモクセイのお花。
 新しい色の花弁のキンモクセイを開発できたら、あたしがお似合いの花言葉をつけてあげようかなぁって」
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:59:23.36 ID:D/gZfYJM0
 ――しばしの沈黙の後、夕美ちゃんは、優しくニコリと笑った。

「志希ちゃん、私ね? 失踪には、二種類あると思うの」
「ふむ?」

以下略 AAS



34:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 21:01:49.50 ID:D/gZfYJM0
 顔を真っ赤にして照れるのか、それとも、顔を真っ赤にして否定するのか。
 夕美ちゃんの性格からして、たとえ違っていたとしても、否定をすることはないだろう。

 でも、夕美ちゃんの返答は、あたしのいずれの予測とも違っていた。

以下略 AAS



35:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 21:05:07.27 ID:D/gZfYJM0
「そうかな」

 ふぅっと息をつくと、彼女は目の前に高く広がる青空に負けないくらい透き通る声で笑いかけた。

「帰ろっか!」
以下略 AAS



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