35:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 21:05:07.27 ID:D/gZfYJM0
「そうかな」
ふぅっと息をつくと、彼女は目の前に高く広がる青空に負けないくらい透き通る声で笑いかけた。
「帰ろっか!」
「そうだね」
あたしも立ち上がる。
「帰ろう」
「お得意の『にゃはは』笑いもいいけど、いつか志希ちゃんの本当の笑いを、見れるといいな」
「……気が向いたら、黄色のキンモクセイも開発してあげるよ。夕美ちゃん、黄色好きでしょ?」
「えっ? よく分かったね。でも、黄色のキンモクセイは既にあるから大丈夫だよっ」
「何が大丈夫なのかにゃー?」
小屋の中で寝ている管理人のお爺ちゃんに二人で手を振り、公園を後にする。
まるで今のあたしが本物じゃないみたいな言い方をされたようで、少し心がささくれ立ったのは、言わないでおいた。
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