30:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:50:08.59 ID:D/gZfYJM0
寝転んだ視界の中に、水玉模様のスカートが揺れる。
季節はもう秋に差し掛かっていたけれど、青空の下に咲く夕美ちゃんの爽やかな笑顔は、春か夏のそれだった。
「……夕美ちゃん、もう少しめくって」
「ど、どこ見てんのっ!?」
「なんで、夕美ちゃんがここにいるの?」
ひょっとして、GPS?
体を起こし、パタパタとしてみるけど、異物が服にへばり付いてる感覚は無い。
それか、夕美ちゃんらしく、花の匂いを擦りつけてるとか?
――ってそんなわけないか、犬じゃあるまいし。
大体、今日着た服に付ける暇なんて無かったし、それならとっくにあたしが気づいてる。
こんなにも馬鹿げた仮説を想起するほど、夕美ちゃんの突拍子も無い行動はあたしの思考を破壊してしまうらしい。
「まぁ、それはそれとして。
はいっ! キンモクセイの花言葉は何でしょう、志希ちゃん?」
強引にあたしの質問を無視して、夕美ちゃんはあたし達のそばにあるそれを指差した。
「夕美先生の花言葉抜き打ちテストだよっ♪
せめて、お花の知識くらいは志希ちゃんに良いところ見せたいなって」
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