32:名無しNIPPER[saga]
2019/04/28(日) 20:57:10.15 ID:D/gZfYJM0
「えっ?」
夕美ちゃんは驚いてあたしに向き直る。
「まるきりの新種は難しいにしても、例えば、このキンモクセイのお花。
新しい色の花弁のキンモクセイを開発できたら、あたしがお似合いの花言葉をつけてあげようかなぁって」
「志希ちゃんは、すごいことを考えるね」
呆れるように、夕美ちゃんは笑った。
あのね、凡人のフリしてるようだけど、夕美ちゃんも大概なんだよ?
「新しいキンモクセイは、どんな色にするの?」
「んー……ピンクかな」
どうせなら、ギラギラにドギツい真っピンクの花弁をいっぱい咲かせてやろう。
そしてこの匂いである。『大胆』以外の花言葉がどこにあ――。
「それ、志希ちゃんの好きな色だねっ!」
「?」
――言われてみればそうかも?
「そう言えば、いつぞや夕美ちゃんに飲ませようとしたおクスリもピンクだったっけ。
あれはケッサクだったなー、夕美ちゃんホントに飲もうとしてさ♪」
「んもうっ、知らなかったんだからしょうがないでしょ!
志希ちゃんのことをだんだん分かってきてからは、ちゃんと警戒してるし」
「あたしの失踪先が分かるのも、あたしを理解してくれているから?」
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