389:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:24:36.76 ID:htj7Q5Kz0
刃踏「あはは、そんな大層な作戦ではないんですけどね……紺之介さんどうです? 私に一任させていただけないでしょうか」
紺之介「ああ……」
締まりこそないが否定的でもない相槌を返した紺之介だったがその後は言葉を詰まらせてしまい、落ち葉を踏む音のみが段々と大きくなっていった。
390:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:25:30.24 ID:htj7Q5Kz0
紺之介(刃踏の力は確かに凄まじいものではあるが)
源氏曰く幼刀 児子炉-ごすろり-とは彼と志を同じくした破壊の刀である。故に奴のときとは大いに違い刃踏の身を全面的に賭けることとなる。
『戦わずして』とは甘美な響きであったが紺之介の中で既に戦いは始まっていると言えた。
391:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:26:20.13 ID:htj7Q5Kz0
紺之介が黙り込んでから落葉踏む音既に五十。途中座りこんだ奴を背負い込むと刃踏は彼の顔を少し覗き込みながら言った。
刃踏「まさか、源氏さんと炉ちゃんを同時にお相手するつもりではないでしょう?」
紺之介咄嗟に目をそらす。
392:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:26:59.89 ID:htj7Q5Kz0
紺之介は一つ大きめの深呼吸をすると深くうなづいて重く決心した。
紺之介「分かった。確かに考えてみれば源氏は手練で児子炉もまた幼刀……誰の傷も増やさずして楽になる方法が少しでも存在しうるのなら使わぬ手はないな」
393:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:27:33.60 ID:htj7Q5Kz0
刃踏が彼に微笑みを向ける一方で愛栗子は後ろで目を閉じて扇子を広げた。そこに何かを察した乱怒攻流は少し歩を緩めて愛栗子に近づくと小声で囁いた。
乱怒攻流「昨日も言ったけど、あれもきっと負け惜しみよ」
394:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:28:14.32 ID:htj7Q5Kz0
紺之介「どうしたフミ……は……?」
一瞬こそ手前二人の方を見た紺之介であったが、その奥から感じる禍々しい殺気をすぐさま読み取り顔を上げた。
源氏「よぉ」
395:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:28:40.75 ID:htj7Q5Kz0
源氏に続いてその下で渦巻く黒煙もまた口を開く。
児子炉「あ、り゛……す! フゥゥミィ゛……!」
396:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:29:26.64 ID:htj7Q5Kz0
原氏「さて、誰からでもいいぜ? かかってきなァ……あ、でも紺之介は後の方がいいな。てめぇにさっさとくたばられちゃ折角の幼刀が全部ただの刀になっちまうし」
源氏、刀を担ぎ清々しい程の喧嘩腰。獰猛な獣が化けて出たかのような彼に紺之介も腰の柄に手をつけたがそれはあくまで反射的なものであった。
紺之介の顔にははや玉汗浮かび上がるも今はまだそのときじゃないとしてその姿勢を保ちつつも口を割る。
397:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:30:33.86 ID:htj7Q5Kz0
紺之介「幼刀 児子炉 -ごすろり-を渡せ」
源氏「ンァ?」
紺之介は児子炉からの強烈な睨みをその身に受けつつ若干首を傾げる源氏に続ける。
398:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:32:24.48 ID:htj7Q5Kz0
固唾を呑むと紺之介は柄から手を離し、その手のまま母に張り付く奴の腕を取りてもう片方で刃踏の背を押した。
紺之介「こいつだ」
源氏が彼女に目線を移したことによって紺之介の呑んだ固唾ごと刃踏にその場の指揮が託される。
399:名無しNIPPER[saga]
2019/10/01(火) 17:32:56.19 ID:htj7Q5Kz0
源氏「ほ〜……」
源氏が峰で肩をならしながら児子炉の方を見るとそこには正に紺之介の言う狂犬が君臨していた。
児子炉「フ、フ、フゥゥミィ……!!!」
602Res/308.77 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20