78: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:39:42.98 ID:YDitP8hM0
勇太「目指してるってなんだよ!金か?金、金、金か?」
丹生谷「違う!そんなの楽しくないじゃない!!もっと理想よ......」
勇太「理想ってなんだよ」
丹生谷「分からない......」
勇太「富か名声か権力か!!」
79: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:42:45.98 ID:YDitP8hM0
待てよ。
80: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:45:32.96 ID:YDitP8hM0
何か万能な!!丹生谷の悩みを吹き飛ばしてくれる万能な答えはないのか!!!
その辺にあるはずなのに!!思い出せるはずなのに!!
お願いだ!丹生谷が動き出してしまう!
いやだよ!!
こんな別れ方!
81: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:50:33.58 ID:YDitP8hM0
丹生谷「バカーーーーーーーーー!!!!!!!!
バカバカバカバカバカーーー!!!!!!!!!!!
82: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:54:55.38 ID:YDitP8hM0
丹生谷......!
俺はそのぶちまけられた本音に声も出ず、
しがみついた胸の中で怒鳴って泣いている丹生谷を目の当たりに、腕に力も入らない。
初めて気づいた。その気持ち。
ああ、あのときそうだったな、と気付いた途端、彼女の罪悪感で心に剣が刺さり傷跡が赤く広がる。
83: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:56:38.92 ID:YDitP8hM0
丹生谷「顔上げたい」
勇太「ハンカチ持っているか?」
丹生谷「ない」
勇太「うん。顔、離したくない?」
丹生谷「さすがにダメ......」
84: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 21:59:16.14 ID:YDitP8hM0
勇太「......」
丹生谷「......」
勇太「俺達、あんなにいちゃいちゃしなきゃよかった」
丹生谷「うん......。悪かったって思ってる。
小鳥遊さんに指導している人なのに、私、顔を合わせられない」
85: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 22:00:52.88 ID:YDitP8hM0
勇太「丹生谷って料理得意?」
丹生谷「う〜ん」
勇太「きれいな川と夕日見たら、お腹空いてきちゃって」
丹生谷「得意といえば得意よ」
勇太「ほんとか!?///」
86: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 22:05:56.43 ID:YDitP8hM0
暫くして話が終わり頬の火照った俺達は夕日とその光に照らされるキラキラ輝く巨大な川を、
ベンチに座ってただ静かに手を繋がずぼーっと見ている。
あれだけ長く青空を白く飾っていた太陽も、西日に落ちかけ、
しかも光の力も弱くなり世界を黄金とオレンジ色に染めている。
夏の暑さはふだんうっとおしいけれど、なんだか見守られているような、勇気をくれているような、
87: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 22:08:50.88 ID:YDitP8hM0
勇太「......」
丹生谷「......」
勇太「......」
丹生谷「......」
勇太「闇の炎に抱かれて消えろ......」ボソッ
88: ◆pkD6GEA.uY[saga]
2018/08/29(水) 22:12:26.58 ID:YDitP8hM0
丹生谷「なによ?」
勇太「俺たちの最初の出会いって、通学中の駅だったよな。
鏡見て髪を整えていると誰かとぶつかりそうになって」
丹生谷「あー!!!あったわね!」
勇太「そっから俺と丹生谷の出会いが始まった」
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