照「わたしに妹はいない」久「……そう」
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38:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:16:33.42 ID:YwSoJMOz0
待ち合い室を出て、二階に降りたあたりで咲が訊ねてくる。

「それで部長。その、記者さんと会うのってどのくらいの時間なんですか?」

WhenとWhereより先にHowとは。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:18:41.97 ID:YwSoJMOz0
会場の外に出るとすぐ、右手側50mほどのところにお目当ての制服は目に入った。白糸台高校、その生徒とおぼしき人達が20人ほど、思い思いに雑談をしながら散在している。そして、散々ビデオで観たからだろう。すぐさまその集団の中に、見覚えのある顔を見つける。

モデルのような長身に青がかった長髪、加えてその目付きの鋭さだ。あとは制服を黒にでも染め上げれば、彼女を知らない人はいわゆる不良と思いかねない。
白糸台部長弘世菫。もっとも、この会場で彼女を知らない人は片手で数えれる程度しかいないだろうけれど。

以下略 AAS



40:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:20:49.32 ID:YwSoJMOz0
咲から切り出したいかもと思って少し間を空けるが、私の影に隠れたままなので言葉を続ける。

「宮永照に会いたいんだけど、今って外してる?」

「照に? ……ああ」
以下略 AAS



41:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:22:16.52 ID:YwSoJMOz0
画面を見てしかめ面で、また迷子じゃないだろうな……と呟いている。おそらく電話の相手は、

「ちょうどいい。照からだ」

でしょうとも。
以下略 AAS



42:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:23:44.61 ID:YwSoJMOz0
「照。本当に、そう伝えていいんだな? ………………ああ、わかった」

弘世さんがスマホを下げこちらに目を向ける。まだ通話は切っていないようだ。

「聞いてただろうけれど、照からの言伝てだ。只な…… うん。竹井さん、少し耳を貸してくれ」
以下略 AAS



43:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:25:37.06 ID:YwSoJMOz0
沈黙を破ったのは咲だった。

「あの、部長。私は建物のなかに行ってますね」

「急にどうしたの?」
以下略 AAS



44:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 18:47:46.14 ID:YwSoJMOz0
「……ごめんなさい弘世さん。いま私に電話を変わったとして、状況が状況だけに宮永さんが切りかねないわね」

「まあ、な」

言葉少なめに弘世さんが柔らかい笑顔を浮かべる。
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 18:49:14.15 ID:YwSoJMOz0
「ねえ弘世さん、あなたは宮永姉妹のことどう思ってるの?」

「宮永姉妹のこと?」

「二人の仲違い、今の状態よ。あなたは宮永さんと三年近く一緒なんだもの流石に知らないってことはないでしょ」
以下略 AAS



46:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 18:50:25.38 ID:YwSoJMOz0
「でも違った。アイツは二年のインハイを終えてもなお麻雀を心の底からは楽しめていない、打ってるだけだったよ。そこで気づいたんだ。問題はもっと根幹にあるんだって」

「……それで、『妹に、照に会ってほしい』なのね」

「ああ、そんなところだ。その頃には宮永家の家庭事情は知っていたからな、トラウマの元がそこにあるということもなんとなく察しはついた。インハイ出場選手の中で、宮永咲の顔と名前を見たときは照を救ってくれるかもしれないと期待せずにはいられなかったよ。私には出来なかったことだ」
以下略 AAS



47:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 18:51:47.74 ID:YwSoJMOz0
姉妹に会ってほしいという気持ちは確かに重く積もっているんだろう。それと釣り合うほど後者の想いも強いなら、私が天秤に触れてどちらに傾くかわかったものではない。ここはせめて、後のために言質を取っておこう。

「あなたの立ち位置はわかった。残念、だけど話せてよかったわ。そうも明け透けに想いを語られち是が非でもとは頼めない」

目を逸らされた。心なしか頬が染まっている。
以下略 AAS



48:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 18:53:46.28 ID:YwSoJMOz0
そして困った、答えようがない。恐らく彼女はここにいないほうがいいのだが、しかしどちらも私の手にる。後ろの二人にヘルプを目で送ると、弘世さんが顎を軽く下げて上げた。

「亦野。話は私達でするから尭深と淡を連れて先戻ってていいぞ」

「え、でも虎姫全員で一回戻るんじゃ?」
以下略 AAS



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