41:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:22:16.52 ID:YwSoJMOz0
画面を見てしかめ面で、また迷子じゃないだろうな……と呟いている。おそらく電話の相手は、
「ちょうどいい。照からだ」
でしょうとも。
「もしもし。ちょうどよかった。こちらも一つ用だったんだが……どうした、照」
『き……………こと……る』
「聞きたいこと? 道順か」
『………な…』
「なんだ違うのか、それは良かった」
『…の……に…みれの………に?』
「私の?いや、お前のが先でいいよ」
『…………も……』
「いいのか? わかった。実はお前に客人が来ててな」
『……けい……』
「ん? そうだが、よくわかったな」
『…………らね』
「なんだ。じゃあお前の用もそれ絡みか」
『…ん……つた…………って』
「なに!?」
何を話しているんだろう。所々の音は聞こえてくるが、大方は雑踏によってかき消される。弘世さんの浮かべた驚きの表情が、次第に苦虫を噛み潰したようなものに変わっていく。
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