38:名無しNIPPER[sage]
2018/07/27(金) 17:16:33.42 ID:YwSoJMOz0
待ち合い室を出て、二階に降りたあたりで咲が訊ねてくる。
「それで部長。その、記者さんと会うのってどのくらいの時間なんですか?」
WhenとWhereより先にHowとは。
らしいと言えばらしいのかもしれない。
でも残念ながらその問いかけには答えれない。
「ゴメンね咲。実はさっきの、作り話なのよ」
「作り話? じゃあ、今からインタビューされるんじゃないんですか!?」
咲がぱぁっと明るい顔を浮かべる。そんなにマスコミが苦手なんだろうか。
「あれ。でもそれじゃあ今から何をするんですか?」
「ああそれは、あなたのお姉さんのところに突撃しようかなって」
「えっ」
咲が色を失ったような声を出す。いきなり天王山に向かおうと言われたんだ、当然なんでしょう。
「急で悪いとは思うわ。でもインハイ中での対話が適わなかった以上、こうするのが手っ取り早い。咲もお姉さんに会いたいでしょ?」
「私は……」
なにかを言いあぐねているようだけど、生憎今は急がなければ白糸台が帰ってしまう。言いづらそうにしているならば無理には訊かない。
「大丈夫、私もついててあげるから。たぶんまだ外の広間にいるわ」
「ぁ…。はい、すいません」
「ちょっと早足にするわね」
咲を背にするように前に出て、まばらにいる人の中を切り抜けて出口に向かう。
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