佐藤心「もうすぐ32歳か……」
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1: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:14:54.82 ID:Lqty2f6eO
アイドル。
みんなから声援を受けて、それを力にして輝く存在。
歌って踊ってポーズをとって、みんなに憧れと夢を与える存在――なんて言うと、ちょっぴり大げさかも。
でも、私にとってはそれほど大きいもので、だから自分もそうなりたいと思ったんだ。

そして私は、ある人と出会って、念願叶ってアイドルになった。
デビュー時26歳、アラサー突入したての微妙な年頃。だからはじめは焦りもあったし、しんどかったし、辛かった。
でも、それ以上に楽しかったし、幸せだった。とってもスウィーティーだった。事務所の仲間はみんないい子で、力をたくさんもらえたし。
そんなこんなで、私は夢だったアイドルとしての時間を一生懸命駆け抜けて。
そして、存分にやりきったと思ったから、引退した。みんなに愛されたアイドルしゅがーはぁとは、惜しまれながらも現役を退いた。最後のライブで見えた景色は、今でも鮮明に思い出せる。きっと、一生忘れることはできないんだろうな。

ただ。しゅがーはぁとの物語が終わっても、佐藤心の人生はまだまだこれから続くわけで。



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2: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:16:18.33 ID:Lqty2f6eO
心「いらっしゃいませー♪」

心「よろしければご案内いたしましょうか?」

心「お客様には……こちらのワンピースなんていかがでしょうか? ついでにこっちの帽子も合わせると清涼感マシマシ☆ みんなからの視線を独り占めですよ♪ ぜひ試着からっ」
以下略 AAS



3: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:17:02.26 ID:Lqty2f6eO
アイドルを引退してから、早一年。
商店街に店舗を構えるブティックに勤めている私は、今日も店長と軽口を叩き合いながらそつなく仕事をこなしていた。
ファンとの触れ合いでコミュ力が大幅強化された結果、お客さんからの反応は上々……だと自分では思ってる。
時々、私がしゅがーはぁとだと気づいてくれる人がいて、握手とかサインとか求められたりもする。嬉しくてついつい応えようとしちゃうんだけど、そのたび背後で店長が咳払いをするので丁重にお断りすることになっている。

以下略 AAS



4: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:18:16.50 ID:Lqty2f6eO
心「コンビニでスイーツ買って帰ろ」

なんだかスウィーティーな気分じゃなくなってきたので、甘いもので気晴らしすることにした。

コンビニ店員「しゃーせー」
以下略 AAS



5: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:20:50.64 ID:Lqty2f6eO
二宮飛鳥、19歳。ポエミーな言葉遣いと人の持つ心の在り様を叫んだ歌で、ティーンエイジャーから熱狂的な人気を得ている中二病(と言える年齢でもないか)アイドル。
最近は二十代や三十代のファンも増加の一方で、名実共にトップアイドルの称号を得たと言ってもいいくらいだと聞いている。

心「さ、あがってあがって♪ なーんもないけど」

以下略 AAS



6: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:22:34.04 ID:Lqty2f6eO
飛鳥ちゃんとご飯を食べるのは、いつ振りだろうか。同じ女子寮に住んでいた頃は、時々食堂でご一緒させてもらったり。私が寮を出てからも、たまに年上風を吹かせたくなった時に奢ってあげたりしたっけ。
まあ、全部アイドルやってた頃の話だけど。

心「おまた〜☆ 一晩寝かして旨味を増した特製カレーだぞ♪」

以下略 AAS



7: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:23:47.57 ID:Lqty2f6eO
心「くぅ〜〜っ! やっぱ仕事終わりのビールは格別だわ☆」

飛鳥「アイドルが出していい声じゃ……っと、もう引退していたね」

心「へへー、だから言いたい放題だぞ☆」
以下略 AAS



8: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:25:30.20 ID:Lqty2f6eO
飛鳥「本当にお似合いだね、ふたりは」

心「……どゆこと?」

飛鳥「あっちも同じ言い訳を使ってきたんだよ。『心さんと会わないのかい』と聞いたら、『今は、飛鳥のプロデュースで手いっぱいだから……半端に時間をとっても、逆に迷惑だろうし』とね」
以下略 AAS



9: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:26:40.40 ID:Lqty2f6eO
飛鳥「今日はありがとう。カレー、美味しかったよ」

心「こっちこそ、付き合ってくれてありがと! ごめんね、忙しいのに」

飛鳥「誰かとご飯を一緒に食べるくらいの時間はあるさ。都合がつけば、また誘ってほしい」
以下略 AAS



10: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:29:15.28 ID:Lqty2f6eO
一週間後。


心「ありがとね。急な誘いだったのに乗ってくれて」

以下略 AAS



11: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:31:45.46 ID:Lqty2f6eO
P「髪、下ろしてるんですね」

心「どう? 前の方がよかった?」

P「いえ、どっちも素敵です」
以下略 AAS



12: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:33:11.26 ID:Lqty2f6eO
P「そうだ。忘れないうちに、渡しておかないと」

心「え?」

ガサゴソとカバンの中を漁り、綺麗にラッピングされた箱を取り出すプロデューサー。
以下略 AAS



13: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:35:15.27 ID:Lqty2f6eO
心「P」

P「あ、はい」

心「この一年間。遠慮とかしたり、変な意地張ったりとかして、全然あなたと会えなかった。ていうか、文字のひとつも送らなかった」
以下略 AAS



14: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:36:07.34 ID:Lqty2f6eO
それから、二ヶ月くらいの時が流れて。


心「というわけで、見事面接に合格して事務員として採用された佐藤心です! 皆さんよろしくね☆」

以下略 AAS



15: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:39:52.54 ID:Lqty2f6eO
梨沙「おはようございまーす。もう10月なのにあっついわねー」

心「おっ、梨沙ちゃん! おひさー☆」

梨沙「えっ……」
以下略 AAS



16: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:42:34.07 ID:Lqty2f6eO


梨沙「はい、完成♪」

梨沙ちゃんに任せるまま十数分。
以下略 AAS



17: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:43:08.90 ID:Lqty2f6eO
心「プロデューサー! はぁと、頑張るからね!」

P「はい。期待してます」

心「それと!」
以下略 AAS



18: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:46:25.26 ID:Lqty2f6eO
おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
佐藤心さん誕生日おめでとうございます

過去作
佐藤心「不器用はぁと」
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 00:07:28.60 ID:ujNj7qrDO


見合い相手から始まった恋。ゴールできるといいね


以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage]
2018/07/23(月) 07:45:08.33 ID:GqFrkbwJo

来ると思って待ってた


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