佐藤心「もうすぐ32歳か……」
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3: ◆C2VTzcV58A[saga]
2018/07/22(日) 23:17:02.26 ID:Lqty2f6eO
アイドルを引退してから、早一年。
商店街に店舗を構えるブティックに勤めている私は、今日も店長と軽口を叩き合いながらそつなく仕事をこなしていた。
ファンとの触れ合いでコミュ力が大幅強化された結果、お客さんからの反応は上々……だと自分では思ってる。
時々、私がしゅがーはぁとだと気づいてくれる人がいて、握手とかサインとか求められたりもする。嬉しくてついつい応えようとしちゃうんだけど、そのたび背後で店長が咳払いをするので丁重にお断りすることになっている。

店長『ウチは服を売る店なのよ』

まあ、ごもっともだよなぁ。
しっかりしてる人だし、ここのお店で働くことにしたのは正解だったと思う。自覚してるけど、私って暴走しやすいタイプだし。手綱を握ってくれる人が必要なんだ。
それこそ、アイドル時代の彼のように――

心「……何してんのかなぁ、アイツ」

思い出すのは、いつも私に振り回されていたあの困り顔。たまに仕返ししてきた時の勝ち誇った顔。いい雰囲気になった時に見せてくれた真っ赤な照れ顔。
たまにネクタイが曲がっている時には、すかさず直してあげたっけ。女子力アピールは入念にってね。
いつも一緒にいたような気がするのに、アイドルを辞めてからはめっきり顔を見なくなってしまった。まあ、事務所に行かなくなったんだから当たり前だけど。




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