【艦これ】一九四八年:あるいは爆雷でいっぱいの海
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20:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:23:26.30 ID:leW1YX1c0


"Or All the Seas with Depth Charges."




21:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:24:04.03 ID:leW1YX1c0
姉を沈めた空襲により自身も大きな損傷を受けながら、彼女は祖国へと辿り着いた。
チェック
診断結果は回復の見込みなし。予備艦として別命まで待機すること、と辞令が下る。

刻一刻と悪化する戦況をただ見ていることしかできない。
以下略 AAS



22:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:24:32.09 ID:leW1YX1c0
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以下略 AAS



23:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:25:20.30 ID:leW1YX1c0
『――即答しなかった時点で、君は拒否すると思っていたが』

「単に心の準備が必要だっただけさ、もう決めたよ」

『提督』はさも意外そうに言うが、口調は平坦なまま変わらない。
以下略 AAS



24:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:26:02.22 ID:leW1YX1c0
「聞いたよ。ソ連に行くんだって?」

執務室の扉を閉めた響を待ち受けたように、巡洋艦・北上が問う。

「それってさ、誰でもない自分自身の意志なの? 自分で決めたことだって、胸を張って言える?」
以下略 AAS



25:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:26:33.00 ID:leW1YX1c0


"Or All the Seas with Depth Charges."




26:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:27:06.46 ID:leW1YX1c0
彼女は「その時」を待っていた。

祖国の盾として戦える日を。華々しく前線で活躍できる日を。

次の戦いではきっと。次こそは。その次こそは。
以下略 AAS



27:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:27:34.33 ID:leW1YX1c0
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以下略 AAS



28:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:28:24.72 ID:leW1YX1c0
チャーター
専属機でウラジオストクに降り立った響を出迎えたのは、巨大な石造りの壁だった。

「なんだ、『石棺』がそんなに珍しいか?」

以下略 AAS



29:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:29:09.05 ID:leW1YX1c0
「火の粉が自分に降りかからんよう払っている間なら穏やかでいられるだろうな。私の国はもう滅びたも同然だ」

「同然なだけだ、滅びてはない」

「同じだろう」
以下略 AAS



30:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:30:07.60 ID:leW1YX1c0
                                                    エクス・マキナ
「大きいことを抜かすのは勝手だがな――ちっこいの、何をどうやって救うつもりだ? 天から神様が下りてきて何もかも解決してくださるのを待つつもりか?」

「待たない。その前に、人類が治療法を見つける方に賭ける」

以下略 AAS



31:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:30:44.72 ID:leW1YX1c0
「……なるほど、貴様の覚悟はよく分かった。だがな、石棺の中の人間はどうなる? 貴様がここで奮闘するほど、彼らの希望は潰えていくぞ?」

響はガングートの問いに真正面から答える。

「それも含めての賭けだ。治療法が見つかれば、こんな壁はなくて済む」
以下略 AAS



32:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:31:21.22 ID:leW1YX1c0
しばらく黙り込んでいたガングートだったが、やがて笑いながら言った。

「いや、確かに、そんなものはもうすっかりなくなったものと思っていたが……そうか、それがここにいる意味というわけか! ちっこいの、貴様なかなか器の大きい奴だな!」

「自分が必要だと思うことをやるだけだよ――それと、私の名前は響だ」
以下略 AAS



33:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:31:47.48 ID:leW1YX1c0


"Or All the Seas with Depth Charges."




34:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:32:25.56 ID:leW1YX1c0
国家が変わり、名前が変わり、ようやく彼女は活躍の場を得た。
               ファイアサポート
陸上部隊への絶え間ない支援砲撃。

爆撃を受けようと、修理を行いながら砲火は途絶えさせなかった。
以下略 AAS



35:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:33:02.17 ID:leW1YX1c0
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以下略 AAS



36:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:33:41.84 ID:leW1YX1c0
新年を迎えても、ウラジオストクでの響の生活は変わらない。
         トーチカ
海上の除染と基地の建設作業を行い、南方への亡命者を監視する。

しばらく前から日本との通信は途絶えてしまった。案外国内の感染拡大の方が早かったのかもしれない、とどこか冷めた気持ちで思う。
以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2018/07/09(月) 00:34:09.75 ID:leW1YX1c0
それでもせめて、風が吹くときまでは。
           サナトリウム
雪の積もる大地に療養所の白い床を重ねながら、響は今日も石を積む。



38: ◆uWMZyB79vg[saga]
2018/07/09(月) 00:35:02.92 ID:leW1YX1c0
以上です。
サイバーパンクの中でも「AIに支配される人類」みたいなディストピア系統が好きなので、
そちらの要素も混ぜ込んで前回以上に趣味が強く出た感じになりました。
あとロシアの皆様、勝手に旧体制に戻した挙句滅ぼしてしまって大変申し訳ありません。
それではお読みいただきありがとうございました。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[sage]
2018/07/09(月) 03:35:20.53 ID:tzXzQ8Xko

この終末感がいい


40:名無しNIPPER[sage]
2018/07/09(月) 08:34:12.18 ID:TuvjiZs60
ルビがちょっと読みにくいかなって思うの



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