ジータ「リーシャお姉ちゃん」
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3: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:48:04.28 ID:TeqkJU5v0
静かだからだろうか、どことなく神秘的な雰囲気も感じる森の中をリーシャは1人歩き続けていた。

(剣の修練をと思ってたのに、魔物が全然出て来ない……)

修練のために魔物を探していたのだがウルフの1匹すら現れる様子がない。森の中さえ静かで平和だった。
以下略 AAS



4: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:48:35.63 ID:TeqkJU5v0
「剣の練習のために魔物を倒そうと思ってここまで来たの。でも、本当に出てきたら怖くて動けなくなっちゃって……」

少女に乞われ手を繋いで家路を歩く途中、リーシャは少女がなぜこんなところにいるのか尋ねていた。

「そうだったんですね。誰だって最初はそういうものですよ」
以下略 AAS



5: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:49:07.34 ID:TeqkJU5v0
堪えきれなくなってその場に泣き崩れてしまうリーシャ。

「お姉ちゃん!? どうして泣くの!? もしかしてさっき怪我しちゃった!?」

「違う……違うんです……嬉しくて……父さんの娘としてじゃなくて、私のことほめてくれたの……」
以下略 AAS



6: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:49:38.31 ID:TeqkJU5v0
ヴァルフリートからの許可はあっさりと降り、リーシャは父の用事が終わるまでの間ジータの家で暮らすことになった。
グランアインスで出る食事とは比べるべくもないがジータの心の籠った夕食を食べた後、2人は寝室に向かった。

「ベッドは1台だけなんですか?」

以下略 AAS



7: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:50:07.96 ID:TeqkJU5v0
次の日、田舎らしく質素だが暖かな朝食を共に食べたあとジータに乞われて剣の修行を付けることになったリーシャは、彼女を伴って森のまだ魔物が現れないほどの浅く開けた場所へ行き、木剣を使った模擬戦を行っていた。

「たぁっ!」

「踏み込みが足りませんよ」
以下略 AAS



8: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:50:41.88 ID:TeqkJU5v0

「本当に入るんですか?」

「うん! 冷たくて気持ちいいよ!」

以下略 AAS



9: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:51:13.57 ID:TeqkJU5v0
それから時は過ぎ、ヴァルフリートの用事が終わりリーシャがザンクティンゼルを離れる日の前日。
はじめてジータ1人で魔物を狩った祝いと別れを惜しんで少し豪華な夕食を終えた2人は、同じベッドの中でいつものように向き合っている。

「私がいなくても1人で眠れますか?」

以下略 AAS



10: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:51:43.20 ID:TeqkJU5v0

それは果たされるはずのない約束だと思っていた。しかしそれから10年近く経って期せずして果たされることになる。

エルステ帝国最高顧問として武力による侵略紛いの行為を繰り返していた七曜の騎士が1人、黒騎士。
秩序の騎空団の第四騎空艇団船長となったリーシャは、元船長のモニカと共にこれを捕縛。彼女が執拗に狙っていたある騎空団の面々を事情聴取に召喚するため会いに向かった。
以下略 AAS



11: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:52:12.49 ID:TeqkJU5v0
空を旅するといっても自由な旅ではなかった。様々な困難の果てに星晶獣アーカーシャを打ち倒し、悲壮な覚悟で戦いを挑んできた黒騎士を下し、彼女の問題が全て丸く収まるまで息つく暇もなかったように思える。

戦いの果てに訪れた平穏をジータの故郷であるザンクティンゼルで過ごすことにした一行は、今後の身の振り方という問題に直面しつつも静かな夜を過ごしていた。

皆も寝静まったであろう真夜中。リーシャはこっそりと宿として借りていた部屋を抜け出し、森の方へと向かった。
以下略 AAS



12: ◆hQrgpWdMp.[saga]
2018/05/15(火) 21:52:42.44 ID:TeqkJU5v0
「今でもずっと、憧れだよ」

「……えっ?」

震えていた体を優しく包み込む柔らかな感触に我に返れば、いつの間にか近づいていたジータがリーシャを抱きしめていた。
以下略 AAS



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