遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
1- 20
257: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/02(日) 20:04:27.82 ID:NZ43uSLl0
 状況を理解するまで、少しばかり時間がかかった。俺は、自分自身の力を見誤っていたのだ。その膂力は、とうに人の域を超えていた。まさか、身体から頭をちぎり取るほどに増していただなんて思いもよらなかった。なにが「魔族は危険だ」だ。本当に危険なのは俺自身ではないか。

 驚きと、悔しさ、悲しさ、言葉に言い尽くせない様々な感情が俺の中でせめぎ合っている。俺は、どうすればいいのだ。俺、はどうするべきなのだ。この気持ちをどう表せばいいのか、俺にはわからなかった。そんなとき、どこからともなくすすり泣く声が聞こえてきた。

 ああ、そうだ。こんな時は、泣くしかないじゃないか。愛する人を、この手で殺してしまったのに涙の一つも流さないなんて、それこそ人ではない。……ん? ところで、泣いているのは誰だ?
以下略 AAS



258: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/02(日) 20:04:54.85 ID:NZ43uSLl0
 俺は、彼女にまかれたマフラーで彼女の目じりを拭いてやった。ズビズビ言っていたのだ、ついでに鼻もかんでやる。まるで子供をあやしているような、自身の様にふと笑みが零れ落ちた。そんな俺を見て、彼女もまた笑顔を見せる。


「勇者! うしろ!」

以下略 AAS



259: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/02(日) 20:05:31.52 ID:NZ43uSLl0
 息を切らして全力で駆けていると、部屋の一角に薄暗くもランプの灯に照らされたカウンターが見えてくる。カウンターには椅子が並べられ、奥の棚には酒瓶が並べられていた。大部屋の中に突然現れたその区画は、まるであの店。カクテルバー《ゾクジン》にそっくりだ。


「あそこにある酒で、私を酔い潰して! それで体は止まるはず!」

以下略 AAS



260: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/02(日) 20:05:58.31 ID:NZ43uSLl0


「おいおいおい。お前の大鎌は酒瓶の首を落とすのにちょうどいいじゃないか」


以下略 AAS



261:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/02(日) 20:06:24.94 ID:NZ43uSLl0


 もう、彼女に酒を無理やり飲ますことはできそうにない。だが、俺にはまだ秘策があった。


以下略 AAS



262:名無しNIPPER
2019/06/03(月) 01:09:00.28 ID:Lt3ypCHEo
そりゃそうなるよね
綺麗な雨なんだろうな…
おつおつ


263:名無しNIPPER[sage]
2019/06/03(月) 23:49:08.89 ID:6O8gSbKDO

明日のジョーばりのゲ〇か…



264: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/05(水) 22:39:02.75 ID:1oYqpqim0
 目を回している彼女の頭を、優しく俺の太ももの上にのせる。長年、如何なる目的も果たせなかった俺ではあるが、ようやく一つ成しえることができた気がする。

 久方ぶりに彼女の顔を拝むが、やはりとんでもない美少女だ。こんなに、幼く可愛らしい顔つきをした美少女の頭をふとももに載せるなんて、なんと扇情的で犯罪的なんだろうか。だが彼女は、立派な大人。そこに違法性は一切ない。というか、彼女の生い立ちを鑑みるに、とんでもない年上の可能性だってあり得る。

 彼女の頭の重みが、俺に歓喜の震えを与える。俺の鋼の精神は、恐慌状態へと陥り、あまりの喜びに泣き叫びたいほどだ。
以下略 AAS



265: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/05(水) 22:39:41.28 ID:1oYqpqim0


「おい、やめおー」


以下略 AAS



266: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/05(水) 22:40:08.07 ID:1oYqpqim0

 俺たちは、目が覚めてジタバタもがいている身体をよそにバーカウンターに並べられた椅子に腰かけた。バーカウンターの上に据えられた彼女の指示で、俺はグラスに琥珀色の酒を注ぐ。独特な芳ばしい香りが鼻を衝く。


「水で割るか?」
以下略 AAS



267: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/05(水) 22:40:34.52 ID:1oYqpqim0


 炎魔将軍の言葉を思い出す。「人に化けると、思考や性質が人間に寄ってしまう」。おそらく、彼女にもそれが起こったのだろう。魔王軍という群れを一人離れ、人間として日常をおくる中で魔王への忠誠心が薄らぎ、強い自我に目覚めたのだ。


以下略 AAS



296Res/317.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice