69: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:54:09.32 ID:XzeV2oVA0
「久しぶりだな」
聖さんがニヤリと笑う。
私が聖さんのレッスンを受けるのは、346プロにきて最初のレッスン以来だった。
後になってから知ったけど、そもそも聖さんは通常は新人のレッスンなんて受け持つことはない。あのときは、プロデューサーさんの依頼で特別に、ということだったらしい。それ以降は、聖さんの妹の慶さんや明さんが私のレッスンを担当していた。
70: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:55:06.23 ID:XzeV2oVA0
「いじめっこだ」
と志希さんが笑う。
「上手だったよ」
71: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:56:35.39 ID:XzeV2oVA0
「下駄を履くわけではないから、そこまで極端に難しくはならないと思うが、和装の経験は?」
「えっと、お仕事では少しだけ。歌ではなくて、演劇ですが……」
「ほう」
72: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:58:20.56 ID:XzeV2oVA0
*
志希さんと夕美さんはお仕事の予定が多く入っているため、合同レッスンがとれる日はあまり多くない。
2回目の集まりは最初の合同レッスンから3日後のことで、この日は集合時間になっても、志希さんが姿を現さなかった。
73: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:59:52.41 ID:XzeV2oVA0
聖さんがやってきても志希さんは姿を見せず、レッスンはふたりだけで始めることになった。
私は、前回よりは叱られることは少なくなった。この3日間で指摘されたところを集中的に直した甲斐があったのかもしれない。
ひと通り終えたあと、今度は聖さんが持ってきた羽織袴とブーツを着用してレッスンをおこなった。本番の衣装そのものではないけど、構造はほぼ同じらしい。ブーツは踵がけっこう高くて、慣れるまでに何回か転んでしまった。
夕美さんはやはり衣装を想定した振り付けをしていたらしく、仮の衣装を着てのダンスも不自然なところは全くなく、むしろよりいっそう映えるものになっていた。
74: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 18:01:31.38 ID:XzeV2oVA0
「私このあと少し時間空くから、周子ちゃんのお見舞いに行こうと思ってるんだけど、ほたるちゃんも行く?」
レッスンが終わったころ、夕美さんが言った。
「いえ……私なんかが行ったら、治るものも治らないと思うので……」
75: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 18:02:57.38 ID:XzeV2oVA0
*
ひとりになったレッスン室でしばらく自主レッスンをこなして、私はいつものようにプロデューサーさんに声をかけに行った。
「プロデューサーさん、私そろそろ上がりますので」
76: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 18:05:49.90 ID:XzeV2oVA0
*
これまであまりそういった経験がなかったため、私はたぶん、浮かれていたんだと思う。
寮の自室に帰ってから、私は携帯電話を片手に思い悩んでいた。
77: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/05/23(水) 18:06:35.36 ID:XzeV2oVA0
(本日はここまでです)
78:名無しNIPPER[sage]
2018/05/23(水) 19:02:56.79 ID:OEJ3u89I0
乙です
扇子といいデートへの過剰反応といい、Pの過去が気になる
79:名無しNIPPER[sage]
2018/05/23(水) 21:54:05.34 ID:YWUXwqGSO
熊本弁きつい
202Res/248.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20