70: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/23(水) 17:55:06.23 ID:XzeV2oVA0
「いじめっこだ」
と志希さんが笑う。
「上手だったよ」
夕美さんがぱちぱちと拍手をしてくれる。
私はほっと息をついた。自分の中になにか、この人には見放されたくないという思いがあった。
「だけど、振り付けアレンジするんですよね?」
夕美さんが聖さんに向けて言った。
「ああ、だがまずは素の状態を見て、それから矯正していくつもりだったから」
「あの? アレンジというのは?」
私は話について行けていけずに問いかけた。
「本番の衣装は和装になるんだよ。動きが制限されるし、普通のとは見え方が変わってくるから、それ用の振り付けになるんだよね」
夕美さんが答える。
なるほど、夕美さんの振り付けは、本番の衣装まで想定したものだったんだ。
「すみません、考えてませんでした」
「こっちが言ってなかったんだから、考えてなくていい」
「あたしも考えてなかったにゃ」と志希さんがつぶやく。
「一ノ瀬はそれ以前の問題だ」
聖さんが頭痛をこらえるように額に手を当てた。
202Res/248.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20