白菊ほたる『災いの子』
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35: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:28:47.38 ID:xTncLF7m0
「そう焦ることはない」

 プロデューサーさんが言った。

「全部が全部オーディションにもたどり着けてないわけじゃないだろ。多くはないけど仕事もしてる。うちはよっぽどのスキャンダルでもない限りは契約解除するようなことはないから、細々とやっていくなら今のままでも心配は要らない」
以下略 AAS



36: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:29:58.97 ID:xTncLF7m0
「本当にそれだけか?」

「え?」

「いや……じゃあトップアイドルにならなきゃな」
以下略 AAS



37: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:31:34.88 ID:xTncLF7m0
「少し話を戻すと」

 しばらくメトロノームみたいに行き来するワイパーを眺めて、プロデューサーさんが言った。

「間に合いそうにないなこれ」
以下略 AAS



38: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:33:28.34 ID:xTncLF7m0
 プロデューサーさんがいちど腕時計を見てから携帯電話を取り出し、どこかに電話をかけ始める。
 おそらく、開始時刻までにオーディション会場にたどり着けないことが確定したんだろう。

 渋滞に巻き込まれて間に合わない旨を告げ、時間を遅らせる、あるいは日をずらすことは可能かと問いかける。しばらく相手の言葉に合わせて相槌を打つ。
 プロデューサーさんのほうの声しか聞こえないけど、「無理だ」という回答が返ってきたらしいことはわかった。
以下略 AAS



39: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:35:49.53 ID:xTncLF7m0
   *

 お仕事が少ないぶん時間には余裕がある私は、空いているレッスン室を使って自主レッスンすることを日課にしている。

 長い時間をかけて渋滞を抜け、事務所に戻ってきたあと、私はプロデューサーさんと別れてそのまま第4レッスン室に向かった。
以下略 AAS



40: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:37:36.06 ID:xTncLF7m0
 周子さんがあごに手を当てて、ううんと小さくうなった。

「あたしはなんというかね、自分で言うのもなんだけど、要領がいいんだよ」

「要領、ですか?」
以下略 AAS



41: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:41:11.49 ID:xTncLF7m0
 志希さんはものすごく頭がよく、アイドルになる前は海外に渡って飛び級で大学に通っていたらしい。ちょっと私には想像もつかない世界だ。
 大学を辞めて日本に戻っていたところで、屋外でテレビ番組の撮影を見守っていた346プロのプロデューサーに自分から声をかけ、紆余曲折の末にアイドルになったそうだ。
 
「志希さん……すごいらしいですね」

以下略 AAS



42: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:43:52.49 ID:xTncLF7m0
 それから私は、周子さんに手伝ってもらって準備運動のストレッチをした。

「ん、ほたるちゃん意外と固いね。ちゃんと柔軟やんないとダメだよ、体柔らかいほうがケガしにくいから」

「す、すみません、がんばります」
以下略 AAS



43: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:45:55.84 ID:xTncLF7m0
   *

 レッスンを終えて、私は周子さんといっしょに寮に帰ることにした。
 事務所を出る前に周子さんに少し待ってもらって、いつものようにプロデューサーさんに声をかけに行く。

以下略 AAS



44: ◆ikbHUwR.fw[sage]
2018/05/10(木) 17:46:46.50 ID:xTncLF7m0
(本日はここまでです)


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