39: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/10(木) 17:35:49.53 ID:xTncLF7m0
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お仕事が少ないぶん時間には余裕がある私は、空いているレッスン室を使って自主レッスンすることを日課にしている。
長い時間をかけて渋滞を抜け、事務所に戻ってきたあと、私はプロデューサーさんと別れてそのまま第4レッスン室に向かった。
レッスン室の使用予定は前もって訊いていて、手帳にメモしてある。今の時間はこの部屋が空いているはずだった。
だけど、ドアを開けてみるとそこには先客がいた。周子さんだ。
「およ、ほたるちゃんおつかれー。どしたーん?」
「あ、お疲れさまです。今日はこのレッスン室が空いてるみたいなので、自主レッスンに使わせてもらおうと……周子さんは、どうしてここに?」
「あー、あたしも同じだよ」
「周子さんが、自主レッスンを?」
「なんかおかしいかな?」
「すみません。ただ、周子さんはあまり、そういうことをしないものかと」
「へえ、ほたるちゃんはあたしにどういうイメージ持ってるん?」
失礼なことを言ってしまったかもしれない、と思ったけど、周子さんは気を悪くしたようには見えない。むしろなにか面白がっているようだった。
「周子さんは……売れっ子で、歌もダンスも凄くって、お喋りも上手で、なんでもできる完璧な人だと……」
「そこまでベタ褒めされるとなんか恥ずかしいね」
「すみません……」
「なんで謝んのさ」
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