160:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:03:52.69 ID:LS54PsoZ0
「ありがとうねえ、本当に助かったわぁ」
「後は、ここで並んで、順番がきたら先ほどの引換券を見せれば、大丈夫だと思います」
何度もお礼を言ってくれるお婆さんに会釈をして、私は一息つくと、再度走り出しました。
161:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:08:12.74 ID:LS54PsoZ0
「おねえさんありがとう!」
インフォメーションセンターに行くと、その子の母親とすぐに出会うことができました。
ちょうど、迷子の相談をしようと思っていたようです。
162:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:10:15.86 ID:LS54PsoZ0
「待って!」
あのプレゼントは、今日必ずほたるちゃんに渡さなくてはいけないものなんです。
車で出られたら、もう捕まえる術はありません。
163:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:13:14.69 ID:LS54PsoZ0
最初の信号で、運悪く引き離されました。
いえ、運悪くなんてありません。
これも“不幸”では、決して――。
164:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:18:19.79 ID:LS54PsoZ0
『ぬぅぅ〜〜わかった! 担当者のアレは俺が出とくから、ちゃんとバシッと戻ってね!
ほたるちゃんすっげぇ待ってるからさ!』
「えっ?」
『いや、えっじゃないよ! ほたるちゃんがもう……あ、はいすみません今行きます!
それじゃあ、俺も行かなきゃ。一旦切るね! 探し物しっかりな!! あぁっ!?うるせぇなネーサンお前空気読」
165:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:21:05.89 ID:LS54PsoZ0
今ですっ!
「お金は後で払います!」
「は、はぁ…」
ドアを開けると、まともに視界が開けないほど、もの凄い豪雨です。
166:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:24:08.55 ID:LS54PsoZ0
ま、まさか、とぼけて――?
いえ、違う――私は、落ち着いて彼女をもう一度よく見ました。
167:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:27:23.87 ID:LS54PsoZ0
「え、はい……す、すみませんでした……」
大雨の中、呆然と立ち尽くす私を尻目に、車が走り出します。
168:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:30:11.10 ID:LS54PsoZ0
「……分かりました」
やむなく、私はタクシーを降りました。
169:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:33:16.91 ID:LS54PsoZ0
私はバッグを漁り、プロデューサーさん曰く「高ぇタフマン」を取り出しました。
一息にそれを、グッと飲み干します。
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