162:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 00:10:15.86 ID:LS54PsoZ0
「待って!」
あのプレゼントは、今日必ずほたるちゃんに渡さなくてはいけないものなんです。
車で出られたら、もう捕まえる術はありません。
必死に走ります。ですが――!
すんでの所で、その車は発進し、駐車場の外へ出て行きました。
気づくと、大粒の雨がポツポツと、降り始めてきています。
――いや、まだです!
「停まってください!!」
人目も気にせず、私は目一杯大きな声でタクシーを捕まえました。
やけにトロトロと停車し、のんびりとドアを開けたそれに、すかさず乗り込みます。
「前の車を追ってください!」
フロントガラスは、瞬く間に降り出した大雨で視界が見えません。
その雨音に負けないよう、ドラマか何かでしか聞いたことがない台詞を叫び、私は後部座席から身を乗り出して前方の車を指差します。
「え、えぇっ? どれ?」
「早くっ!!」
「わ、分かりましたぁ」
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