10: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:37:58.36 ID:amKha4Y/0
ゆっくりと瞼を上げたPさんは、私にこう告げました。
P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
まゆ「…先ほど言ったことに嘘偽りはありません。まゆは、Pさんのためであれば何でもできます、何でもします。例え死ぬことだって…Pさんと一緒なら…」
11: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:38:25.12 ID:amKha4Y/0
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P「あ、千川。まゆは?」
ちひろ「一先ずは落ち着きを取り戻したと思います。明日はお休みですし、十分休養を取るよう伝えました。それと、明後日以降の仕事は出るとのことです」
12: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:38:56.86 ID:amKha4Y/0
半ば追いやるようにして部屋を出て貰う。どうしても一人になりたかった。でなければ千川に当たっていたかもしれない。まゆの世話をして貰って、叱って頂いたばかりなのに。
まゆの絶叫で忘れていた怒りがふつふつと思い出されてきた。それと同時に自分への怒りも湧いてきた。プロデューサーならあそこは怒るかもしれないが、怒ってはいけない場面だったと。それでも……。
P「ガラスの靴なんかって」
13: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:39:41.10 ID:amKha4Y/0
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P「……なんて?」
丸1日休んだ後だった。若干腫れの残る瞼を見れば、泣きはらしただろう類推はできるが、何をもってその結論に至ったのか、皆目見当もつかない。
14: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:40:08.99 ID:amKha4Y/0
ちひろ「和解、できたようですね」
P「わっ!? 千川っ!」
ちひろ「ごめんなさい。でもまゆちゃんに許可は貰いましたから」
15: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:40:35.15 ID:amKha4Y/0
〜〜
それから事はとんとん拍子に進んだ。あの夜を思い出し、俺はときたまぎくしゃくしていたが、まゆは全然気にしていないようで、俺も次第に意識しなくなっていった。
セルフプロデュースに関しても、最初は殆ど俺が裁いていた。だが、業務内容を覚えだしてからは少しずつ方向をシフトしていった。
16: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:41:01.84 ID:amKha4Y/0
しかし、その予想を外れ、まゆは16位で第三回総選挙を終えた。6位と比べれば無論物足りないが、それでも初の試みでは素晴らしい結果だと言えよう。
第四回では29位。下がってきた。でもまゆは満足していた。なぜなら彼女の戦略ははまっていたからだ。
彼女がプロデュースに携わるようになってからは、女性ファンを増やすことに注力していた。元々俺の策では男性ファンが殆どであった。それこそが、まゆに女心を理解していないと言わしめたのであろうが、ともかくまゆは女性ファンの扱いに長けていた。
17: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:41:29.01 ID:amKha4Y/0
「第6位 佐久間まゆさん」
18: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:41:55.34 ID:amKha4Y/0
まゆ「すみませんでした。ちょっと、感極まってしまって。もう大丈夫です」
どよついていた開場は一気に静かになった。それは、今のまゆがすごいから。上手く伝えられないが、すごい。
まゆ「以前6位という順位を頂いた時は、17の時でしたね。あれからもう4年と思うと、時の移ろいは早いものです」
19: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:42:21.06 ID:amKha4Y/0
〜〜
P「お疲れ様。引退の相談俺にはなしか」
まゆ「Pさん。すみません。ちひろさんにはもう言っていたんですけれど」
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