P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
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11: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:38:25.12 ID:amKha4Y/0
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P「あ、千川。まゆは?」

ちひろ「一先ずは落ち着きを取り戻したと思います。明日はお休みですし、十分休養を取るよう伝えました。それと、明後日以降の仕事は出るとのことです」

P「……そうか。ありがとうございました」

 仕事に穴を空けずに済んだ…とまず脳裏を過ぎったのはプロデューサーとしての性だろうか。人としては良いことではないだろうけれど。

ちひろ「何があったんですか? まゆちゃんがあんなに取り乱すなんて……確かにシンデレラガールにはなれませんでしたが、圏外だった訳でもなく、前回から考えれば大健闘。ああなるとはとてもじゃないですが」

P「そうだ。原因は別のところにある」

 説明しながら思うが、確かに言い過ぎた。それはわかっている。ただ、優しく言って彼女が、まゆが引き下がっただろうか?

 恋愛が御法度の業界に飛び込んで、そこで会った人が好きですなんて、普通はありえない。でもまゆは“知っていて入った”のだ。彼女の思いの前には、ルールなどお構いなしというわけだ。それしか見えていない彼女に理詰めで話したところで、到底話が通じるとは思えない。

 話し終わって数瞬後、バチンという音と共に火花が散った。

ちひろ「あなた、最低ですね」

 ああ、叩かれたのか。思わず頬に手を当てる。ほんのりと熱い気がするが気のせいかもしれない。

P「……少し言い過ぎたとは思ってる」

ちひろ「少し!? どこがですか! まゆちゃんは思春期の女の子なんですよ!?」

 思春期の女の子、というとやはり恋愛第一と思ってしまうのは偏見だろうか。実際まゆはそうだったのかもしれないが。

ちひろ「デリケートなんですよ、中高生の女の子は! それをあんな風に……まゆちゃんがどれだけ傷ついたか」

P「俺にだって……譲れないものはある」

ちひろ「はい?」

P「いや、何でも無い。迷惑掛けたな。今度なんか奢る」

 言えば伝わるかもしれない。少なくとも理解は示してくれるだろう。千川は聡明だから。しかし、自分が言いすぎたのも事実。本来であれば大人である自分が己を律するべきだったのだ。それをカッとなって……。

ちひろ「まだ話は終わってませんよ!」

P「一人にしてくれないか。話があるなら明日にしてくれ」

ちひろ「ちょ、ちょっと、Pさん?」

P「……悪い」



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