P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
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15: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:40:35.15 ID:amKha4Y/0
〜〜

 それから事はとんとん拍子に進んだ。あの夜を思い出し、俺はときたまぎくしゃくしていたが、まゆは全然気にしていないようで、俺も次第に意識しなくなっていった。

 セルフプロデュースに関しても、最初は殆ど俺が裁いていた。だが、業務内容を覚えだしてからは少しずつ方向をシフトしていった。

まゆ「プロデューサー目線に立って思ったんですが、Pさんって女の子の気持ち、あんまりわかっていないんですね」

P「え!? 一応女の子に囲まれてるし、関係が悪くなったこともないぞ!?」

まゆ「それは蘭子ちゃんも菜々ちゃんもアイドルにご執心だからですよ。なのでPさん」

 ドンと机に紙袋を取り出した。何の真似だ?

まゆ「勉強しましょうか。まゆの大好きな少女漫画を持ってきました」

 漫画なんてナルトとネウロ以来だな。恋愛を題材にしたものだったので、あまり興味はなかったが、読み始めると存外面白い。

 まゆ曰く、これが等身大の女の子、だそうだ。

 それに比べ俺の担当するアイドルはどうやら特殊なやつが多いらしい。蘭子は中二入ってるし、菜々も電波女だ。これから普通の女の子をプロデュースする上で、こういったものの理解はいずれ役に立つかもしれない。

 しかし、こう読んでてむず痒くなるのはなんなんだろうな。気恥ずかしいというか、それでいてどこか切ないような。

P「まゆ、ありがとな。読み終わったから、持って帰ってくれ。送るよ」

まゆ「どうでしたか?」

P「面白かったよ。恋愛で葛藤するっていうのはよくわからない。でも何かを成すために努力する姿は何よりも美しいと俺は思う」

まゆ「それならよかったです」

P「……お前も、こんな大恋愛を望んでいるのか?」

まゆ「まゆは……アイドルですから。そんなことは言えません」

 成長したな、こいつ。半年前はあんなだったのに。……強くなった。

まゆ「でも、人並みの幸せは望みます」

P「というと?」

まゆ「好きな人を見つけ、結ばれる。まゆの望みはただそれだけです。アイドルであるうちはトップアイドル、ですけどね。だからスキャンダルはありえません」

 ま、俺なんかを好きになるって方がおかしかったんだ。吹っ切れたようで何より。トップを本気で目指していることは間違いないし。ここ最近のまゆの鬼気迫る表情、あれは凄まじい。

 でも、何でいきなりアイドルを真剣にやり始めたんだ? 元が手を抜いていたとは言わないが……。

まゆ「さあPさん。帰りましょう。まゆお腹すいちゃいました」

P「ん、今日も頑張ってたしどっか連れてってやるよ」

まゆ「本当ですか! ありがとうございます」

 たったこれだけで士気があがるならお安いご用だな。ただ、プロデュースにも挑戦ということで慣れない部分もあるだろうし、今回は圏外も覚悟させとくべきかもだが。



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