P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
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16: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:41:01.84 ID:amKha4Y/0
 しかし、その予想を外れ、まゆは16位で第三回総選挙を終えた。6位と比べれば無論物足りないが、それでも初の試みでは素晴らしい結果だと言えよう。

 第四回では29位。下がってきた。でもまゆは満足していた。なぜなら彼女の戦略ははまっていたからだ。

 彼女がプロデュースに携わるようになってからは、女性ファンを増やすことに注力していた。元々俺の策では男性ファンが殆どであった。それこそが、まゆに女心を理解していないと言わしめたのであろうが、ともかくまゆは女性ファンの扱いに長けていた。

 しかし、これが票の伸びない理由でもあった。女性ファンは男性ファンほど熱心な人が少ないのである。

 特にまゆの客層は、料理や裁縫を仕事でやる関係上主婦が多く、彼女らの殆どは趣味に大金を使えない。故の順位の低迷だった。ただ、悪くはない順位を続けることはできていた。

 だからこそ彼女はここで、完全セルフプロデュースへと移行した。

まゆ「苦しくなったら助言を乞うかもしれませんけれど、一先ず自分だけでやってみます」

 彼女なりの手応えを感じていたのだろう。ファン数自体は増えていたからだ。ただ、シンデレラガールを目指す上で、このやり方だけではだめだ。上には行けない。

まゆ「仕事の幅を広げようと思います」

 最初は儚げな女の子として。次に家事が得意な女の子として。最後はあらゆることをやる女の子として。

 俺としてはイメージを大切にし、仕事を選ぶ方向でプロデュースしていた。事実それで成功を収めていたし、自分としても自信が合った。しかし一方で、局所的な仕事しか振れていなかったとも言える。

まゆ「まゆは蘭子ちゃん達とは違いますから」

 自分の担当アイドルは蘭子、菜々に第二回が終わった後加わった飛鳥がいる。この三人ならば、目に入りさえすれば、意識させることができる。ただ、まゆは良くも悪くも普通の女の子としての活動がメインであり、強烈な個性を有す彼女らに比べ、インパクトを残すという面で劣っている。

P「だからこその知ってもらうための立ち回りか」

まゆ「そうです」

 知りさえしないアイドルなど、興味も何もない。故に、まずは目に触れる機会を増やす。多種多様な仕事を受け、レギュラー番組はそこそこに、ゲスト出演をメインにしていったのだ。一度で印象を与えられずとも、二度、三度見かければ顔は覚えるし、名も通る。

 それからは営業の繰り返しだ。何せ、新規開拓をしなければならない。来る仕事は既存のまゆを見てのものなのだから。

P「完全セルフって言ってるが、ありゃ嘘だな」

まゆ「すみません。まゆの力が足らないばかりに」

P「ばか、俺はプロデューサーだぞ。もっと頼ってもいい」

 蘭子も菜々も飛鳥もまゆも、全員俺の大事なアイドルだ。一人だって手を抜くもんか。

P「お前こそ、頑張りすぎるなよ」

まゆ「はい。ですが、同じプロデューサーとして、負けませんよ」

P「それは頼もしい」

 第五回では27位だった。この程度は誤差の範囲。しかし、ようやくまゆの策が結実した。努力が実ったのだ。



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