P「まゆ、お前は俺のために死ねるか?」
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17: ◆66FsS2TZ4lNJ[saga]
2018/04/09(月) 10:41:29.01 ID:amKha4Y/0


「第6位 佐久間まゆさん」


 千川の声に歓声が上がる。それもそのはず、久しぶりの一桁、故にファンの感動も一入というものだ。

 割れんばかりの群衆の前に、一歩、また一歩と踏み出していく。

 ……なあ、そこから見える景色ってどんなもんなんだ。今のお前は自分でプロデュースした結果でその場に立てているんだろ。その高揚感っていうのは、どう感じる?

 俺は自分の手がけたアイドルを壇上に送り出すだけで気分は最高だった。だが、自分を演出し、かつその結果すらも与えられる立場、少しだけ羨ましいよ。だから、その表情を見せてくれ!

 階段を登り切り、まゆの画面がクローズアップされる。壇上に登った少女は……泣いていた。

まゆ「えぐっ…ごめ、ん、なさ」

 震える声で、謝った。何に対してかは明白だ。だからこそ、

「まゆちゃん、ゆっくりでいいですよ。皆待てますから」

流石千川。気遣いの鬼と呼ばれるだけある。

 止めどなく溢れる涙に、観客らは困惑している。だってシンデレラガールになった訳でもない。前回と比べるとずば抜けて上がっている。だが、6位は一度取っている。

 でも俺は知っている、千川も知っている、そしてまゆが1番知っているだろう。今回の第六回総選挙に懸けてきた努力を、時間を、人生を!

P「あ……」

 気づけば自分も涙していた。飛鳥が圏内だったときも。菜々が2位だったときも。蘭子がてっぺん取った時でさえ流さなかったのに。

 わからない、理由はわからない。でも、何でかお前が1番愛おしい。

P「あーくそ、よく見えない」

 目元を拭うと、凛としたまゆ。ああ、美しい。



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