162:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:46:48.70 ID:8fWIK/550
がちゃり、と拒絶の音。
鍵を掛け、いつか彼女に出会った時のように、その場にへたり込んだ。
163:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:47:26.74 ID:8fWIK/550
「開けてよ! 千早ちゃん! お願い、お願いだから!」
164:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:48:13.72 ID:8fWIK/550
どうして。
どうして、そんなに私に固執するの。
165:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:48:52.47 ID:8fWIK/550
166:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:49:23.91 ID:8fWIK/550
一際大きな叫び声が聞こえ、ドアを叩く音が止んだ。
167:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:50:32.36 ID:8fWIK/550
私達の間に、久しぶりの静寂が訪れた。
そしてぽつりと、彼女が呟いた。
168:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:51:24.39 ID:8fWIK/550
「でも、私には才能も力もなかった」
「小学校卒業する頃には、半ば諦めてたんだよね」
169:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:51:56.25 ID:8fWIK/550
「私達の順番は後半だったから、前半は他の学校の歌を聴いてたんだけど」
「ある学校にね、とぉーっても歌が上手い女の子がいたの」
170:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:52:38.90 ID:8fWIK/550
「その子の歌がね、とっても悲しそうだったの」
「寂しいのを、泣くのを必死に堪えながら歌ってるみたいで」
171:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:53:48.06 ID:8fWIK/550
「だからね、千早ちゃん。もう一回、私からのお願い」
「前に進むことを、やめないで」
172:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:56:29.46 ID:8fWIK/550
「そろそろ私、限界なんだ」
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