163:名無しNIPPER[saga]
2018/04/01(日) 15:47:26.74 ID:8fWIK/550
「開けてよ! 千早ちゃん! お願い、お願いだから!」
痩せ細った身体から絞り出された声は、突き刺すように私の心へ届く。
それでも、ドアを開かせるまでには至らない。
私の諦観は、それほどまでに達していた。
「もう、私は疲れたのよ……もう、何もしたくない……」
「イヤだぁ……そんなの、イヤだよぉ!」
ドアを叩く音が弱まっていく。
音は弱まっても、叩くことは決してやめようとしない。
私を呼ぶ声に、苦痛の声が混ざり始める。
それでも痛みを堪えながら、彼女は叩き続けていた。
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