49:1[saga]
2018/03/24(土) 22:15:29.73 ID:N9NZ/oAL0
41.唯side
梓「ピアノの音……?」
梓ちゃんは防音室の小窓から中を覗く。私には見なくても分かる。有馬先生のピアノだ。
50:1[saga]
2018/03/24(土) 22:23:34.60 ID:N9NZ/oAL0
42.梓side
心が揺れる。ピアノの音色が身体中に響き渡るようだった。
楽しげな幸せそうな、しかし確かに大人しく柔らかく、そして何より悲しかった。
51:1[saga]
2018/03/24(土) 22:26:03.75 ID:N9NZ/oAL0
43.
演奏が終わった。私は、それに唯先輩も一歩もその場から動けなかった。
しばらくすると、上を見上げていた有馬さんが私たちに気づく。
52:1[saga]
2018/03/24(土) 22:30:19.05 ID:N9NZ/oAL0
44.憂side 同時刻
憂「最近有馬さんの調子はどうなんですか?」
私は淹れたお茶をみんなに配りながら、椿さんに尋ねた。
53:1[saga]
2018/03/24(土) 22:32:18.59 ID:N9NZ/oAL0
45.梓side
ーー私は最初から最後まで、梓ちゃんと弾き続けたい。
唯先輩は私の制止なんて聞きもせず、ピアノを弾き始めた。
54:1[saga]
2018/03/24(土) 22:33:59.26 ID:N9NZ/oAL0
46.
公生「ここのミュートをもっと意識して。全体的にビブラートの練習をした方がいいよ」
有馬さんの指摘は正確かつ明確で、私の演奏を荒削りしていった。1時間する頃には、私の演奏は最初のものよりもかなり変わっていた。
55:1[saga]
2018/03/24(土) 22:34:45.36 ID:N9NZ/oAL0
47.唯side 同時刻
灰色の空の下、私は1人だった。
唯「梓ちゃん……?」
56:1[saga]
2018/03/24(土) 22:36:08.08 ID:N9NZ/oAL0
48.唯side
公生「唯ちゃん、起きて」
夢から覚めると、私の肩を揺らす有馬先生が目の前にいた。いつもみたいに優しく笑っている。
57:1[saga]
2018/03/24(土) 22:37:40.87 ID:N9NZ/oAL0
49.梓side
椿「公生と唯ちゃんって、いつ見ても親子みたいだよね」
私に遅れてやってきた2人を迎えると、有馬さんが調理を始めた。
58:1[saga]
2018/03/24(土) 22:39:37.79 ID:N9NZ/oAL0
数分後、椿さんは3人の大人を連れて戻ってきた。
凪「有馬先生ーー!!」
金髪の女性がぶんぶんと手を振る。
59:1[saga]
2018/03/24(土) 22:47:38.99 ID:N9NZ/oAL0
50.唯side 文化祭前日 夜
「少し話さない?」
澄み渡った夜空。少し肌寒い風。
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