追われてます!'
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11:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:02:01.21 ID:rPbMqZ0L0

【変化】

 もうすぐ十九時を回ろうかという頃になると、部室には全員が揃っていた。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:02:55.97 ID:rPbMqZ0L0

 彼女は絵を描いていた。
 あんなに、描けないと言っていたはずの。

 すらすらと、脇目も振らずに、ただまっすぐ目の前の紙に鉛筆を滑らせるその姿からは、以前彼女が語っていた"恐怖"は一切見受けられなかった。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:04:11.08 ID:rPbMqZ0L0

「これ食べる?」と。
「あ、いただきます」と。

「はい、あーん」と。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:05:28.65 ID:rPbMqZ0L0

 いや、あれは甘すぎる。キャンディーよりもチョコレートよりも、
 メイプルシロップとホイップクリームがこれでもかというくらい乗ったパンケーキよりも、だだ甘い。

 目の前の先輩のことなんて気にならずに(おもしろいとは思ったけれど)、先ほどの光景を反芻していると、ネクタイをぐいっと掴まれる。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:06:26.01 ID:rPbMqZ0L0

 そう宣言するように叫んで、萩花先輩はつかつかがらっと扉を開け、迷わず隣へ座り肩を寄せた。

「それ、私も食べたい」

以下略 AAS



16:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:07:08.82 ID:rPbMqZ0L0

 気付けば甘い空気は消えていた。砂糖菓子の匂いは残っていたけれど、空気という面で考えれば、そこで何かしらの行動を東雲さんが取れば甘さは持続したのに。残念。
 彼女は先輩二人のことなんて気にも留めずに、イヤフォンをかけて音楽を聴いていた。

 まあそれもそうか、とまた自分の作業に戻ろうとしたが、今度は反対側からのノックの音で遮られた。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:07:44.07 ID:rPbMqZ0L0

 場の空気に溶け込んではいるから、まったくもって慣れていないわけではないんだろうけど、
 ここにいるのはみんな年上だし、一人を除いて黙々と作業をしているから、声をかけづらいことは間違いない。

 俺もここに来てからは寝る前と朝起きてからの挨拶くらいで、ほとんど会話らしい会話を交わせていない。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:08:26.07 ID:rPbMqZ0L0

「お金渡すから私の分もよろしく」と胡依先輩が手をあげて言えば、
「私のも、ちょっと手が離せないからお願いできるかな」と東雲さんがそれに続く。

 二人がそうなら、みんなの分を買ってくるのが正解かと頭の向きを変える。
以下略 AAS



19:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:08:59.52 ID:rPbMqZ0L0

「おまえは?」

 五人分ともなると、結構な荷物になるだろう。
 それほど距離はないから二人でも問題ないが、部員以外の(関係ないかもしれないけれど)奈雨に重いものを持たせるのはあまり気が進まない。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:09:46.34 ID:rPbMqZ0L0

 奈雨は既に上着を羽織っていて、もう外へ行く準備は万端らしい。
 続いて立ち上がったところで、目の前に何かが差し出された。

「これでよろしく!」
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:10:16.58 ID:rPbMqZ0L0

【食紛争】

 鍋たって材料は決まっているようなものだしさっさと済ませよう、と考えてはいたのだが、スーパーを出て時刻を確認すると二十時をとっくに過ぎてしまっていた。

以下略 AAS



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