追われてます!'
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13:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:04:11.08 ID:rPbMqZ0L0

「これ食べる?」と。
「あ、いただきます」と。

「はい、あーん」と。
「んっ……」と。

 僅か十秒にも満たない語らい。
 なんてことのない、今までに何度か見たことがあるようなやり取り。
 普段と違っていたのは、東雲さんの対応。

 抵抗しなかった。ほぼ。ツンとした態度は鳴りを潜め、チャームポイントとまで呼べてしまうような、あの射竦めさせる鋭い視線ではなく、
 あくまで「まったく……仕方ないですね」とでも言いたげな、照れの入り混じった視線を彼女は先輩に向けた。

 俺は、え? と一瞬固まり、遅れておお、となる。単純に。
 ソラも同じようにちらりと彼女達を見てから、こちらに生温かい目を向けてくる。やっぱり単純。

 そしてただ一人萩花先輩は、口をぽかんと開けてその場にフリーズした。
 と思ったら数秒後に俺を外に連れ出して、スカートの端を摘みながらぷんすか地団駄を踏みだした。

「なんか、……なんかっ!」

「……」




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