追われてます!'
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20:名無しNIPPER[saga]
2018/02/17(土) 18:09:46.34 ID:rPbMqZ0L0

 奈雨は既に上着を羽織っていて、もう外へ行く準備は万端らしい。
 続いて立ち上がったところで、目の前に何かが差し出された。

「これでよろしく!」

「なんすかこれ」

「なにって、ゆきち」

 受け取る。普通に一万円札。

「またの名を、まんさつ」

「いや、わかりますけど……えっ、これで買ってこいってことですか?」

 先輩は、自分を指差し、俺を指差し、

「私、部長。君たち、後輩。パーティー、奢る。おーけい?」

 まじすか! とソラが手を合わせて頭を下げ、東雲さんは何かに納得したように顎に手をやってふむと頷く。
 そういえば、先輩は前にちょっとした小金持ちだと自称していた。まあ、そうでなくたってわざわざ固辞する理由もない。

「あんまり寄り道しちゃダメだよ」

「そうだぞー未来。まっすぐ行ってまっすぐ帰ってこいよ」

 何を言いたいんだか。放浪癖がありそうなのは言ってる二人だろうに……。

 空笑いで受け流して、ありがたく一万円札を頂戴してから、部室の外に出た。




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