139:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:12:55.46 ID:GJMDUn0X0
ライブ会場は以前より、華奢な、言ってしまえば小さなライブハウスでした。
(それでも私には大きすぎるような気がしましたが)
プロデューサーさんは私の前を歩いていき、関係者に挨拶をし、
140:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:14:58.70 ID:GJMDUn0X0
本番開始三十分を切り、いよいよ会場は騒がしくなってきました。
私は薄いメイクを施されながら、
鏡越しに映る裏方の人達の視線、聞こえてくるお客さんの声、それらと戦いました。
141:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:16:49.73 ID:GJMDUn0X0
抱えた頭の中で、森久保が小さく笑いながら、私の元へとやってきて、
やっぱり無理なんですけど。
やっぱり森久保にはアイドル向いていないんですけど、と呟きました。
142:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:17:57.23 ID:GJMDUn0X0
「大丈夫か?」
振り返るとプロデューサーさんが立っていました。
何も言えず、頭を小さく横に振ると、プロデューサーさんは私の頭を優しく撫でてくれました。
143:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:19:29.62 ID:GJMDUn0X0
「本当はぎりぎりまでサプライズにしたかったんだけどな。
俺と輝子とトレーナーさんからのプレゼントだ。
今日のライブで着てもらおうと思って。サイズは合っているはずだ」
144:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:20:17.82 ID:GJMDUn0X0
「ありがとうございます」
私はステージ端へと移動を開始しました。
ステージへと一歩近づくたびに大きくなる声、熱気、強くなる鼓動、重くなるピアス。
145:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:21:49.78 ID:GJMDUn0X0
私はプロデューサーさんに背中を押されて、ステージへと上がりました。
歓声が上がりました。「森久保―!」と叫ぶお客さんの声が聞こえてきました。
赤、青、黄色、たくさんのサイリウムが目の前で振られていて、みんなが私を見ています。
146:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:23:11.07 ID:GJMDUn0X0
イントロが終わり、客席に目を向けると、
そこにはキノコさんにトレーナーさん、プロデューサーさんの姿がありました。
三人とも私を心配そうに見つめています。
147:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:24:20.77 ID:GJMDUn0X0
メロディが終わり、曲はサビへと入っていきました。
最後の鬼門。二回目のウィンク。
148:名無しNIPPER[saga]
2018/01/24(水) 02:26:01.72 ID:GJMDUn0X0
彼らは笑っていました。
私を応援しているようでした。
よく見ると、ライブで倒れた時に見た、お客さんの顔がちらほらと混ざっていて、
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