47: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:15:49.75 ID:6rZ5mY140
勇太「ごめん……ごめん……」
六花「やっぱり、ないよね」
勇太「でもいつか目覚めたりするかも……しれないかもしれない」
六花「ううん。分かったから。ゆうたが無理しなくていいよ。ありがとね」
すると六花は耳の後ろにある白い輪を外し、邪王心眼を封印する眼帯を右手の掌に持ち、きゅっと握ってまた開いた。
48: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:16:28.77 ID:6rZ5mY140
おい待てよ!
話したい!……話したい!……
でも話せない……!勇気がでない……!
心の中がマグマのようにぐつぐつ湧いてくる。
今までのことは何だったんだよ。
49:名無しNIPPER[sage]
2018/01/05(金) 23:16:46.82 ID:ZmhD36edO
見辛いなんて次元じゃねえ
50: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:17:00.86 ID:6rZ5mY140
あ…………。
俺は今、言葉を喋ったと思う。それがなんだか本能では知っていると思う。その本能が一番まずいときに作用したのもそれも理解できている。この後何言われているかも分かっている。
頭を下にした草木の見える場所で。
声が震える。体が震える。目玉が小さくなりきつく搾り取られている。生きる気がしない。心臓の音が響き渡っている。呼吸は口でするしか集中が持たなかった。何もかも失った悲鳴を感じている。
やっちゃいけなかった……。止めるべきだった!!
51: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:18:08.41 ID:6rZ5mY140
勇太「空が奇麗だ。真っ暗で綺麗だ。今更だけどさ、禁断の森の先の崖って、巨大なドラゴンがいたり、前作主人公がいたり。そうであってもおかしくないよな。でもいないんだよな……」
「星が奇麗だ。あの星はギリシャ神話とか、過去に見たらしい神を映しているけど、実際はその人の妄想に過ぎない。ただの自然現象を神と崇めるなんておかしいよな。ははっ……」
「……。夜はいつまで続くんだろう。ひょっとしたら永遠かもな。誰かを生贄に捧げなきゃ朝はやってこない。そういうのもいいかもな」
「……。でも永遠じゃない。必ず朝はやってくる。永遠なんてものは存在しない。俺達はいつか死ぬ。どれだけ約束しても最後の時はやってくる。笑ったあの頃は返ってこない。皆後悔しながら歩いている。この草木だって花だって、いつか枯れて死んでしまうんだ。町を歩く人だって、道を歩くおじいさんもおばあさんも、みんな笑顔だった。二人でゆっくり歩いて、楽園の彼方まで歩くんだ。犬を連れて散歩する人も、自転車で平行に走る二人組も、いつか離別か葬式で永遠に会えなくなる。残酷だよな。楽しかったのに。走っている車も、回っている風車も、いつか壊れて粗大ごみ扱い。大企業だって買収されるとか倒産するとかで死んでいく。それなら日本もいつか壊れるんだろうな。この地球もいつか自転ができなくなる。太陽もあと50億年すれば燃え尽きて消えてしまう。この宇宙だって250億年の歳月。いつかは消えてしまうんだ。皆、どれだけ頑張っても、やがては砂に等しくなる……」
「それなのに、それなのに……!俺たち何のために生きているんだろうな。努力したら無駄じゃないかって思うんだ。愛する人の誰かのために生きたって、その人は永遠に生きられるわけじゃない。何かが、天罰的な理由で偶然殺されるんだ。悪いことしてないのに」
52: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:18:54.05 ID:6rZ5mY140
六花「かっこいいから、ずっといてほしいの……!」
「あのね、あのね、ものすごく怖かったんだよ!」
「聞いて!」
「ゆうた!怖かったよ!食べられそうな気がしたの!!」
「一週間前ね、」
53: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:19:32.71 ID:6rZ5mY140
六花の悲痛な大きな叫び声が巨大な夜空に共鳴する。
彼女の大粒の涙が俺の肩を痛く冷やす。
六花の俺の抱きしめる強さが悲しくて俺も涙をぽろぽろと落とした。
そうか……。そうだったんだな……。
六花……知ってしまったんだな……。
54: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:20:04.60 ID:6rZ5mY140
嫌だ。嫌だ。認められない。
体が拒否反応を示す。
知りたくなかった……!
認めたくない……。
守るべきものはない。俺には心から守る存在が一人もいない!
55: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:20:33.88 ID:6rZ5mY140
機関車。
そもそもあのレールは誰が作ったんだろう?
レールはできてもすぐに消滅するなら俺も生まれていないはず。
なんで努力すると成功する場合があるんだろう?なんでレールは今存在するんだろう?
このレールは誰の持ち主なんだろう?
56: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:21:11.24 ID:6rZ5mY140
中二病でも。
そう思うと花畑は一気に溶け、元のいた六花と抱き合う自分に戻った。
無言で六花と抱き合っている。
俺は幻想、無駄じゃなくて、そんな世界じゃなくて。
この世界のレールが間違った方向に行ってしまっただけだ。
57: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:21:48.76 ID:6rZ5mY140
俺の体に秘めし闇の力が勢いよく燃え盛っている。
思いっきり手を前にかざして力を込めた。
革命だ。
闇の力を開放する。
闇の気をまとった空気が俺の周囲を纏って広い夜空へと拡散した。
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