六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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48: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:16:28.77 ID:6rZ5mY140
おい待てよ!
話したい!……話したい!……
でも話せない……!勇気がでない……!
心の中がマグマのようにぐつぐつ湧いてくる。
今までのことは何だったんだよ。
ここまで一緒に来たのに。
こんなちっぽけな理由で、
裂いていいはずがあるか!!!!!!!
……許さない!!
勇太「なんだよそれ!そんな結末!一方通行だろ!お前だけ決めて勝手に逃げるなんてずるいぞ!話しかけていいだろ!俺には何にもわかんないと思う!ああお前の言っていること普段も今も全然わかんないよ!お前になにがあったんだよ!死ぬとか大きいとか今の私とかなんなんだよこれ!分からないからって教えないっての最高に嫌なんだよ!頼むよ!お前は強いよ誰一番!話の内容が何かあったか俺も六花も逃げる卑怯者だって笑われてもいいだろ一緒に居るんだからさ!受け止められるよ!さっきも言ったじゃんかよ!これしか正解ないんだよ!また一緒にいたいんだよおお!!!」

勇太「なんだよ!!!!なんだよお!!!!!!」

俺は六花の前で怒鳴った。腹の中に溜まった泥を全て投げつけた。それでも六花からの返事もない。ダークフレイムマスターでもないただの高校生の無気力な俺の気持ちを投げてしまった。全然分からない理由を、中二病を勝手にやめてしまったことに腹立ってぶつけてしまった。六花は涙を流してそんなの分かってる、現実を知ったような、理想を全否定されたような、嫌で嫌で受け入れたくない醒めた顔で俺の怒りを聞き取った。
六花は無言で受け取って、口をもごもごさせながら、聞かなかったように背を向けた。
俺は好きだ。好きだから……!傷つけるんだ!それ以外に理由は見当たらなかった。俺の全てが怒ってる!復讐を誓っている!
六花の頭をぶん殴りたかった。後ろを向いた六花の頭を殴りたかった。そして違うって言わせたかった。中二病を理解している、マスクを被ることも知らない六花に戻したかった!もう一度笑ってほしかった……!
でも大切だから、大切な六花の選んだ道だから。言っただろう。たとえ誰かの人生を真似ようと、六花の幸せな道を選ぶって……。六花がいいって言うならもうそれに従うしかないんだ。
でもな、でもな、それを理解した途端、体が止まって理不尽で死んでしまう。
勇太「でも、そんなの嫌だ……。あんまりだ……」
背を向いた六花のもとに、俺のこぼれた声が体を動かして、後ろから抱いた。
その背はもう冷たく、氷のように。六花ではなく、本当に別人の誰かだった。
六花の匂いがするのに、頭も体も同じなのに、別人の誰かを抱いているようだった。
もう一度、王子様のキスの温かみを感じて。戻ってほしい……!
六花「離して。私の意思は変わらない」
勇太「中二病じゃなくたって、お前がお前さえいれば、もうどうだっていい!」
六花「私は……私は……」
勇太「また一緒に学校行こうな。皆に話せば分かってくれるよ。もど……らないかもしれないけど、でもあの人たちは良い人たちだって俺は知ってる」
六花「分かっている。でもゆうたが大事なの」
勇太「俺なら平気さ!ほら抱いてるだろ!元気がなきゃできないだろ!」
六花「違う。今のゆうたは強がりだよ……。お父さんが……。もう私のお父さんいなくて。ゆうたも、ゆうたも!あの大きなものに飲み込まれて死んでしまう。だったら……!」
勇太「俺はここにいるだろ!」
六花「うぅ……うぅ……」
まずい……。このままじゃ六花がどっかに行ってしまう。これだけ投資した時間も愛も全て水の泡になって消えてしまう。俺にとっては六花だけが居場所なんだ。
六花「やっぱり私たちは会っちゃいけなかったんだ。不可視境界なんかもともとの私の理想をはめ込んだ都合のいい現実でしかなかった。私はこんなバカだ……!」
六花が段々離れていく!黒い空間の中から米粒になるほど小さく消えていく!こんなに愛を感じているのに!こんなにも近くにいるのに!

六花「別れよう。金輪際合わないように」
いやだ……いやだ…..いやだ…..!
 や

六花「別れよう。もう別れよう……ゆうた」

信じたくない!信じたくない!信じたくない!
俺を離さないでくれ!一緒にいてくれ!!
いやだ!いやだあああああああああああああああああああ!!!!
おい!やめろ!!



勇太「僕と付き合ってください!」



離れてお辞儀する俺。そしてプレゼント用に買った高価な指輪の箱を開いたのを差し出して。


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