六花「勇太をなんとしてでも独占したい!」
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50: ◆L3c45GW7tE[saga]
2018/01/05(金) 23:17:00.86 ID:6rZ5mY140
あ…………。
俺は今、言葉を喋ったと思う。それがなんだか本能では知っていると思う。その本能が一番まずいときに作用したのもそれも理解できている。この後何言われているかも分かっている。
頭を下にした草木の見える場所で。
声が震える。体が震える。目玉が小さくなりきつく搾り取られている。生きる気がしない。心臓の音が響き渡っている。呼吸は口でするしか集中が持たなかった。何もかも失った悲鳴を感じている。
やっちゃいけなかった……。止めるべきだった!!
ばかやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
なんで……なんで……!


六花「ごめん……無理……」


うぅ……ぐす……うぅ……。うわぁああああ!!!
心の中で嘆き叫んでいる。情けない姿をしている。現実ではかっこいい男性としてただ声を震わしている。
こんなにかっこつけなくてよかったのに!俺はバカだ。世界一のバカだ!
中二病なんて、やっぱりないんだろ!
こうなることは目に見えていたはずなのに、なぜ告白したんだろう……。
俺の冷たい涙が頬をたらして、夜中の風に乗ってどっかに消えて行った。
六花は再び背を反らして、俺の見えない方に顔を移して、嗚咽の声が少し聞こえる。
六花も俺も同じ気持ちなのに、同じ共鳴者なのに、どうしてこうも分かり合えない……。
夜の広がる黒い空を見上げて、闇のコートだった羽織るものがなびいている。
見上げることで、乾燥した空気に涙が枯れていった。
きっとあの空では、まだこうなっていない六花と心が深く共鳴している。あの蒼い星の光は今ここにいるようで実はいないように、過去を巡って平行世界の彼方に、俺の哀しみと未来への警鐘は、ずっと通じている。
そういう……
設定だ……。
六花は疲れたのか、俺を背にして腰を下ろし、草原の上に座った。
俺はそんな小さい六花を受け入れられなくて、でも足もそろそろ限界だったのが分かって、六花の近くに座った。やっぱりこの座り方は何か違うんだ。なにかが寂しい。
やっぱり六花がほしい。ぎゅっと握った感触が愛しい。
六花の眼帯……握りしめていた。中二病、俺一人。愛する人は今この手にある。
かっこいい……そう言われた昔を思い出す。もしかしたらかっこよさに惚れて……。

淡い期待を馳せて、六花のぬくもりと頭の匂いを感じる眼帯を、俺は装着した。

勇太「後ろ、いい?」
六花は答えなかった。俺は六花の背の後ろに座って、最初は嫌われるかと思ったが反応がなかった。二人のすれ違う背を互いにくっつけて、おなじみのゆっくりできる温かみを感じた。そして頬もじわじわと赤く染まった。ゴススカートの少女と闇のコートを着た少年が安心感を交換している。今しかない時間。ずっとこうだったらいいのにな。
何もない夜空から星の光と目の細胞のみで蒼く俺たちを映している。寒いけど誰もいない静まった夜空が奇麗だ。
勇太「綺麗だね」
六花「……」
勇太「星も、月も、奇麗だね」
六花「……」
六花の嫌悪感の反応がないからいいんだろうな。無言でも宝物だと思う。
勇太「俺達、別れちゃったね」
六花「……」
勇太「あの……」
六花「…………」
勇太「将来どうする?」
あ、まずい。調子に乗った。知らない人に話しかけられたようなもんだな。
六花「……」
勇太「ごめん。黙るよ」
六花「……」
勇太「……」
話したい。話したい。笑いたい。怒られたい。でも。 それはできない。
ふとっ、夜空を見上げるときれいだ。
現実もこんなにきれいだったらいいのに。
その憧れる心が、体がスッと浮かんで、夢の世界に連れて行った。
美しい楽園のこと。6......5……4……とカウントダウンが頭で到来する。
また、例のアレが始まる。
俺の口からなぜかこぼれる。心が共鳴を欲しがっている。


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