勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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13: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/11(月) 01:34:13.77 ID:ivHOYJAr0
バルフの郊外、竹林を進んだ先にその屋敷はあった。
敷地の四方を高い柴垣と塀で二重に囲み、玄関口の門構えはアルマリクの立派な城門にも引けを取らない。
屋敷の西側にはモザイク様式の土蔵が立ち並ぶ。
中には米や麦を始め、東西南北全ての地域から入手した食糧が蓄えられているのだ。
もちろん、賄賂として皇帝や高級役人に献上するための貴重品もあった。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage]
2017/12/11(月) 09:04:25.56 ID:Ivh/A9Kfo
これは期待


15: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/12(火) 13:32:00.79 ID:MgU8F78y0
かつて先代勇者と共に世界を駆けた魔女。よく資金援助をしてやったものだが、魔王討伐という役目を終えた今、自分に何の用があるのか。客間に入ると、二人の少年少女を伴った魔女が、椅子に腰掛けていた。

魔女「久しぶりだね、大富豪」

大富豪「数年ぶりか。相変わらず美しいな。人間か妖精か、見ただけでは分からん」
以下略 AAS



16: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/14(木) 10:16:54.85 ID:F+cKSKnpO
面白い。大富豪が最初に思ったのはそれだった。十歳に満たない少女にしては、やけに洗練された文を使う。涙を誘う場面や心打たれる場面もなくはない。しかし、全編を通して何やら引っかかるものがあった。

大富豪「……なるほどな。核心を突いている。そこは認めよう。ただ少し気になる点がある」

大富豪「なぜ官能小説をベースにしたのだ? 誰に向けて書いた?」
以下略 AAS



17: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/14(木) 16:14:07.14 ID:hMtWC+MdO
勇者「大富豪さん、綺麗な人だったなぁ……。なんつーか、唐国の美女って感じ?」

魔女「アレは30を超えたオッサンだよ。まだ女装癖が治ってなかったみたいだけど」

勇者「え」
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage]
2017/12/14(木) 17:01:16.60 ID:dGUKIfIDO

期待


19: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/15(金) 14:46:47.78 ID:sMyet7Na0
町から少し離れた小高い丘の上に、黄金色の宮殿が煌々と輝いていた。先代勇者の屋敷だ。

勇者「ついに先代勇者と対面する日が来るんだな……」

魔王を倒した人物。一生目にすることはないと思っていた、お伽噺の中の英雄。
以下略 AAS



20: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/16(土) 17:26:38.03 ID:J5eINESa0
門をくぐり、花畑に挟まれた小道を歩く。
先代勇者の屋敷には二つの門があるのだ。
一つは花畑を鑑賞する小道へ繋がる門、もう一つは屋敷の中へ繋がる門。
最初の門は誰でも無料でくぐることができるが、二つ目は身分を証明するものが無ければ入れない。

以下略 AAS



21: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/16(土) 17:56:44.30 ID:J5eINESa0
門番に通行証を見せ、第二の門をくぐった。くぐった瞬間、金色の光が全身を包み込む。眩しい。
壁が、床が、天井が、純金でできている。安っぽい金箔などではなく、一切混じり気のない純金。
一体どこの鉱山からここまで大量の金を掘り出したのか。掘り出すのにいくら費やされたのか。どれほどの民を酷使したのか。
勇者は周囲の純金が為政者の手垢で汚れた醜い物のように思えた。

以下略 AAS



22: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/16(土) 18:41:13.37 ID:J5eINESa0
応接間に通された。
大きなソファが二つ、水晶製のテーブルを挟んで置いてあった。ソファには既に小柄な男が座っていた。
手入れのなっていない金髪、目の下にくっきり浮かんだ隈、そして積み上げられた書類の山。
もしやこの少年が先代勇者の傍に仕えている『知恵者』なのか。

以下略 AAS



23: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/16(土) 19:49:21.84 ID:J5eINESa0
先代勇者「魔王討伐の命を受けて旅立ってから、何年が経っただろうか」

魔女「七年、くらいかな」

先代勇者「かつての仲間は息災か?」
以下略 AAS



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