勇者「よーし、いっちょ叛乱でもするか!」
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20: ◆EpvVHyg9JE[saga]
2017/12/16(土) 17:26:38.03 ID:J5eINESa0
門をくぐり、花畑に挟まれた小道を歩く。
先代勇者の屋敷には二つの門があるのだ。
一つは花畑を鑑賞する小道へ繋がる門、もう一つは屋敷の中へ繋がる門。
最初の門は誰でも無料でくぐることができるが、二つ目は身分を証明するものが無ければ入れない。

魔女「この人は怪しくないですよーっていう通行証だよね。大富豪に一筆書いてもらったんだ」

魔女が丸い平板を取り出した。ミミズが張った跡ような文字がつらつらと書かれている。
勇者は字が読めなかった。寝る間も惜しんで稼いだ金を、妹の学費に注ぎ込んでいたからだ。
それでもいい、と勇者は思っていた。自分よりも妹の方が、学校を上手く活用できる。

間諜「勇者さん勇者さん、瞳の中に五芒星があるって本当ですか?」

勇者「あるよ、ほら」

あかんべえをしてみせると、間諜は顔を赤らめて飛び跳ねた。

間諜「きゃあッ、すごーい! ホントにあるんですねー! すごいです、勇者さん! 尊敬しますー!」

勇者「そんな珍しがるものかな?」

魔女「勇者は神から英雄の証を賜った人間からね。そりゃみんな珍しがるよ。ふふふ」

勇者「まだ、勇者になった実感がいまいち湧かないな」

魔女「うんうん、何かが足りないよね。勇者が佩くはずの聖剣。早く取り戻さなくちゃね。そのためにも頑張ってもらうよ、間諜君」

間諜「はい! 頑張りまーす!」

勇者(思ったより元気な娘だな……。薬師に化けるとか言ってるが、すぐに正体がバレてしまうんじゃないか?)









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