33:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:25:56.89 ID:290cDT/E0
「……カリーニンさん、貴方はソ連出身でしたね。
ヘクマティアルが、どうやって野戦砲を撃つことを村の人達に了承させたのか、分かりますか?」
「ふむ……おそらくですが、アバランチコントロールを買って出たのではないかと」
34:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:26:27.04 ID:290cDT/E0
◇◇◇
『ってなわけで、お前らとはこれでお別れだ。精々、風邪をひかないようにな』
外部スピーカーの声と共に、眼前のASが頭部機関砲を発砲。火線上にあった雪上車が瞬時に穴だらけになる。
35:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:41:59.84 ID:290cDT/E0
◇◇◇
爆砕ボルトに点火。コックピットハッチが吹き飛び――かけるが、ハッチ上に堆積していた雪の重みで途中停止する。
そこから2、3度蹴りを入れて、ようやくハッチが雪の層を貫通。操縦席が地上と接続され、薄い光と新鮮な酸素が降りてくる。
36:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:43:04.44 ID:290cDT/E0
――寸前に、クルツ・ウェーバーは雪に潜り込むような心地でその場に身を伏せた。
その数センチ上を、確かな殺気と共に鋭い気配が通り過ぎていく。
連中の使っている自動小銃よりも口径の大きい、よく伸びる破裂音が耳に残る。間違いない、これは狙撃だ。
37:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:43:32.44 ID:290cDT/E0
◇◇◇
「いまのを避けやがるか……」
苦々しいレームの呟きを耳にしながら、彼の傍らで同じように雪上に寝そべっているココ・ヘクマティアルは難しく眉間にしわを寄せていた。
38:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 22:59:53.29 ID:290cDT/E0
◇◇◇
ベルファンガン・クルーゾーは、俊敏で強靭な野生動物のように木の影から木の影へ飛び回っていた。
カナディアンSAS出身の彼にとって、雪山はホームグラウンドだ。
39:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 23:13:02.92 ID:290cDT/E0
クルーゾーは残り二人からの射撃から身を隠しつつ、距離を詰めてくるソフィア・ベルマーと相対した。
アサルトライフルを構え、断続的にトリガーを引く。当たらない。木から木へ飛び移る様に身を翻すナイフ使いの挙動は恐るべきものだった。
断続的に拳銃で反撃してくる相手に対し、クルーゾーもその場から駆けだす。メリッサが挟撃に合わないよう、ベルマーへの牽制を続けながら。
40:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 23:20:55.80 ID:290cDT/E0
◇◇◇
「ベン! ベン!? ちょっと、生きてたら返事しなさいっての!」
メリッサはヘッドギアのインカムに向かって呼びかけを続けていた。応答はなかったが。
41:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 23:21:49.30 ID:290cDT/E0
◇◇◇
ソフィア・ベルマー――バルメは胸中で驚愕と称賛の感情を抱いていた。
無論、向ける相手は自分の主たるココ・ヘクマティアル――では、ない。目の前にいるアフリカ系の偉丈夫に、だ。
42:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 23:25:59.30 ID:290cDT/E0
時間稼ぎ。そう判断して、バルメは更に1秒当たりの斬撃の数を増やす。
それでも応えたのは、バルメ自身もこの男に尊敬にも似た感情を抱いていたからだったが。
「こちらのことは調査済み、というわけですね。正体不明の秘密組織に個人情報を握られるなんて、一女性としては危機感を抱かざるを得ません。
43:名無しNIPPER[saga]
2017/11/22(水) 23:37:16.41 ID:290cDT/E0
残りは校正しつつ明日か明後日か明々後日、家に帰れた日に
106Res/207.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20