21:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 22:55:20.27 ID:OJo9ffcO0
……………
………
22:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 22:56:13.33 ID:OJo9ffcO0
相手の携帯に電話を掛けてみても、電波が悪いのか何故だか繋がらなかった。
連絡を取る事も出来ず、どうする事も出来ず、奈緒の置かれている状況はまさに八方塞がりだった。
23:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 22:57:17.60 ID:OJo9ffcO0
「……ん?」
『自分に対して掛けられた声では無いだろう』と、そう思うも奈緒は声のした方にへと顔を向ける。
24:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 22:58:01.87 ID:OJo9ffcO0
(もしかして、ナンパか何かか……?)
だからこそ、その答えに辿り着いてしまったのは不思議では無い。
25:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 22:59:12.07 ID:OJo9ffcO0
「あぁ、失礼。私は、こういう者だが……」
男はそう言って銀色の長方形のケースから紙を一枚取り出し、それを奈緒に向けて差し出した。
26:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:00:57.93 ID:OJo9ffcO0
「えっと……それが何で、あたしに声を……?」
名刺のおかげで相手がどこに所属していて、どういった人物なのは分かった。
27:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:01:27.91 ID:OJo9ffcO0
「あ、あたしがアイドル……? な、何かの冗談、だよな?」
「いや、冗談では無いが……」
28:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:04:41.94 ID:OJo9ffcO0
アイドルという輝かしく、夢に満ち溢れた職業。誰もがなれる訳では無い憧れの地位。
その高みの座に今、自分がスカウトされようとしている。そう思う事は当然だろう。
29:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:05:35.11 ID:OJo9ffcO0
「君は先程から自分の事を卑下にしているが、私はそうは思わない。君から魅力を感じたからこそ、私は君に声を掛けたんだ」
「は、はぁっ!?」
30:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:06:03.82 ID:OJo9ffcO0
最後に『君には期待をしている』と、言った後にTは奈緒の側から離れていった。
遠くに離れていくその背中を、奈緒は呆然としながら見送る。何かを考える余裕は今の彼女には無かった。
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