29:名無しNIPPER[saga]
2017/11/16(木) 23:05:35.11 ID:OJo9ffcO0
「君は先程から自分の事を卑下にしているが、私はそうは思わない。君から魅力を感じたからこそ、私は君に声を掛けたんだ」
「は、はぁっ!?」
驚きのあまり、奈緒は大声を上げてしまった。自分に魅力を感じたというTの言葉が意外だったからこその事である。
「君ならきっと、アイドルとして大成できるはずだ。ぜひとも検討してみて欲しい」
「あっ、いや、その、えっと……」
Tからの言葉を受け、軽い混乱状態にある奈緒は目を白黒とさせた。
軽い程度の話題なら即決もできるが、今後の人生にも関わってくる重要な二択。
なればこそ、自分の事をそこまで押してくるTに対し『はい』と、容易には答えられない。かといって『やっぱり無理』と、断る事もできない。
人生の分岐路と言ってもいいこの場面。どうした方がいいのかと、最良の答えは一向に浮かんではこなかった。
「……まぁ、直ぐには答えは出せないだろう。どうするかはゆっくりと考えてくれ」
「えっ、あ、うん……」
「もしもその気があるのなら、うちの事務所を訪ねて欲しい。その時は歓迎する」
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