佐久間まゆ「めぐりめぐるは」
1- 20
26: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:25:59.20 ID:qeoTwk+V0

 バスに近づいたところ、ちょうど添乗員が出てきた。

「あ、あのっ、バスの中に黒い小さな紙袋が、ありませんでしたか?」

以下略 AAS



27: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:26:38.16 ID:qeoTwk+V0
 バスの天井の上から、幼児ほどもあろうかという影が跳び、二人が声をあげる間もなく、添乗員の手からまゆのプレゼントを奪い去った。

「キキーッ!」

 ひどく機嫌の良さそうな上ずった声で鳴くそれは、都内のこんなところには全く似つかわしくない猿であった。
以下略 AAS



28: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:27:15.10 ID:qeoTwk+V0

「ぬぐぐぐ……」

 アイドルとしてはいささか荒っぽい悔恨を表す。
 しかし、やはり次の瞬間には、まゆは駆け出していた。
以下略 AAS



29: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:27:46.10 ID:qeoTwk+V0

 ***

「あのバスです!」

以下略 AAS



30: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:28:25.91 ID:qeoTwk+V0

 いつの間にかやり取りを後ろで聞いていた支配人が、すぐに電話をかける。
 どうやら部隊に指示を出しているようだ。

(それにしても気になるな……)
以下略 AAS



31: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:30:00.94 ID:qeoTwk+V0

 ***

「まゆのです!」

以下略 AAS



32: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:30:44.58 ID:qeoTwk+V0

 次の瞬間、猿に向けてスポットライトのように光が当たった。

「キーッ!」

以下略 AAS



33: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:31:34.03 ID:qeoTwk+V0

 猿はすくみ上った。
 その一瞬の隙を逃すまいと、まゆの後ろから、猿の背後から、怒涛の勢いで部隊が猿へと駆け寄っていく。

 まゆは、刺又や網が入り乱れる、そのただ中で、プレゼントに向けて走った。
以下略 AAS



34: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:32:15.40 ID:qeoTwk+V0

 ***

「あぁ! プレゼントが!」

以下略 AAS



35: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:32:50.38 ID:qeoTwk+V0

 飼育員たちから代わるがわる感謝の言葉を述べられて、握手をせがまれているのは、自分がおそらく誰よりもよく知っているアイドル、その人であったからだ。

 彼女はひとりひとりにいつも通りの笑顔で対しているが、その笑顔の内にある心は泣いているらしい。

以下略 AAS



36: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/09/07(木) 21:33:22.95 ID:qeoTwk+V0

(あぁ、何度目だろうか、彼女の涙は)
(昔は全く見せなかったそれも、僕を信頼してくれるようになってから、何度か見せてもらったね)

 周囲が戸惑いを見せる中、プロデューサーは彼女のそばにそっと立った。
以下略 AAS



44Res/38.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice